亀井幸一郎の「金がわかれば世界が見える」

マクロな要因が影響を及ぼす金(ゴールド)と金融の世界を毎日ウォッチする男が日常から市場動向まで思うところを書き綴ります。

米ミニトリプル安で買われた金

2020年10月22日 20時48分27秒 | 金市場
10月21日の市場で目立ったのは、米長期金利の上昇だった。この日の米10年債(国債)利回りは一時0.836%と6月9日以来4カ月ぶりの水準に上昇。売り物が出て価格が4カ月ぶりの水準に下がっていることを意味する。(財政赤字の拡大を意味する)民主党ペロシ下院議長とムニューシン財務長官の追加経済対策合意を見込んだ利回りの上昇とロイターの解説にあったが、どうなんだろう。投票日から結果判明まで時間を要するのは必至の今回の選挙なので、市場横断的に動きが取りづらいのだが、それでも民主党政権が誕生し、議会も民主党が支配した結果(つまりBlue Wave)、財政支出が大幅に増えることを織り込みに掛かっているという捉え方もできるもの。株式市場では、民主党勝利を織り込んだトレードも見られ始めており、こちらの可能性もありそうだ。21日は、このところ(利回りの)上昇が目立っていた30年債など1.6%台に乗ってきた。

8月から9月に長期金利の上昇が金売りの背景として指摘されたことがあったと思うが、既に報じられたように21日のNY金は上昇。米債金利(利回り)の上昇の中で、ドルは逆に全面安状態になったのは興味深い。21日はこのところ日足は元より週足の予想まで虚しさが漂い、為替アナリストが干上がる状態が続いていた(失礼)ドル円まで動きが出て104円台ミドルまで下落。このところ対ドルで水準を切り上げてきた中国人民元も続伸し、1ドル=6.6511元とドルは2018年7月以来の安値に転落。この中で(人民元は構成通貨ではないが)ドル指数(DXY)は4営業日続落となり、92.47まで売られ9月2日以来の低水準を記録。アルゴリズムのロボットトレードは、金の買いを指示というところか。

一方、株式はというと、追加経済対策協議の期待も空しく、電話協議をしては「ええ感じ」とはされるものの、連日の「明日またね」にさすがに「選挙前はないかも・・・」気運が漂い、反落ということに。

今朝見ていてどこも指摘していなかったが、終わってみれば何のことはない、株安、ドル安、債券(国債)安のトリプル安状態ということに。その中でNY金の引値、1929.50ドルは9月18日以来約1カ月ぶりの高値ということに。もっとも、たまたま方向がそろっただけでミニトリプル安ということだが、流れの変化というのは、いつ起こるかも知れず、その兆候を感知するためにアンテナを張っているわけで、それもマーケットを見る面白さということか・・・と。

ベージュブックの内容もいつになく興味深かったし、ブレイナード理事の講演も目を引いたけど、長文になるのでやめときます。さて、いよいよ日本時間明日午前10時から政治ショー。どんなことになるのでしょうか。。。マイクオフでも声は聞こえそうだ。。

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