亀井幸一郎の「金がわかれば世界が見える」

マクロな要因が影響を及ぼす金(ゴールド)と金融の世界を毎日ウォッチする男が日常から市場動向まで思うところを書き綴ります。

NY金の値幅は陰の局?

2020年10月28日 20時17分46秒 | 金市場
NY金のこう着状態が続いている。前日はアジア時間に一時的に1890ドル付近まで売られた他は、1900ドル台で推移。NYの通常取引入り後は、1900~1910ドルのわずか10ドルの範囲に取引は限られた。27日はンドンの午前からNYの早朝にかけてドルが買われた際に、1910ドル近辺から一時1900ドル割れに急速に値を消すことになった。しかし、NY時間にドル買いの動きは一服し流れは反転。徐々に水準を切り上げ昼前には再び1910ドル台に復帰した。その後は、目立った動きは見られず、ほぼ横ばいで推移して終了。高低差は15.1ドル。今月の最小ということに、というより手元のデータで調べてみたら、なんと新型コロナ騒動が起きる前の今年2月19日の13.5ドル幅(高値1615.90ドル、安値1602.40ドル)以来の数字だった。値幅という観点で“陰の局”ということか。昔の相場師のような表現だが、昔、昔、証券時代にテクニカルの勉強をしたときに覚えた言葉。実は本日28日の日本時間日本時間19時05分時点までで、NY時間外取引のここまでの値幅は13ドル。NY時間に動くとしても、煮詰まった状況に変わりなしということか。

各種世論調査の平均値を割り出し発表している政治専門サイト、リアル・クリア・ポリティクスのデータでは、10月26日時点での支持率はバイデン候補50.7、トランプ候補43.3と、バイデン候補が安定的にリードを保っている。ただし、勝敗を左右すると見られる激戦州で、トランプ、バイデン両候補は接戦を繰り広げていることから、金に限らず市場横断的に結果を待ちたいとの様子見ムードが強く、株式市場では手仕舞い売りが先行。もっとも、株式市場については新型コロナの新規感染急増を嫌気してという側面も大きい。トランプは検査件数が増えているからだ、終息に向けた最終コーナーを回っているところだから、COVID、COVIDと騒ぎ立てるなと訴えているが。今夜のNY株はどうなるか、現時点では大きく売られそうだが。少なくとも10月中のワクチン承認は流れたのは間違いなかろう。それとも株式市場は、いまごろ追加経済対策の合意ならずを材料にしようとしているのか?まさか・・・・ね。

また、本日日本時間昼前のデータで、期日前投票が7000万人を超えたとされる。そもそも選挙結果が順調に出るとの予想は少なく、先行きの不透明感を一層高めている。このところ、貴金属間のみならず金融市場との比較でも金の値動きは乏しい。少なくともここで積極的に金を売り込む動きにはならないと思われる。先週は連日残高が減っていた金ETF最大銘柄「SPD(スパイダー)ゴールド・シェア」だが、27日は増加した。ETFでも選挙前に換金しておこうとの動きが出ていたということ。。。

明日29日は米7-9月期のGDP速報値が発表される。4-6月期にマイナス31.4%と過去最大の落ち込みの後に、今回は一転してプラス32%と過去最大の伸びが予想されている。予想通りあるいは、予想を上回れば好感されると思われるが、市場の視点はすでに足元の減速懸念に移っている。
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