亀井幸一郎の「金がわかれば世界が見える」

マクロな要因が影響を及ぼす金(ゴールド)と金融の世界を毎日ウォッチする男が日常から市場動向まで思うところを書き綴ります。

残高減が目立つ金ETF

2020年11月19日 16時48分58秒 | 金市場
金市場は方向感なくレンジ相場ながら売りが先行する形で、18日はアジアからロンドン、NYと終日マイナス圏で推移。11月9日と同じ時間帯に、またファイザーが開発中の新型コロナワクチンについて、最終分析での予防効果が95%に達し、重篤な副作用も見られなかったと発表した。金市場は週初のモデルナの発表を受けた際と似たような感じで売られたが、その時よりも戻りに力強さは感じられなかった。それでもNY時間の昼前に1880ドル台に浮上したものの、維持できずに終了。有効性の高いワクチンの治験経過良好との発表が続き、安全資産としての金が売られたと通信社は報じている。確かにそうだろうが、さすがに株式市場の上値も重くなっており、リスクオン相場にも一巡感がある中での下落は、ポジションを閉じる動きに伴ったものと思われる。

分かりやすいのが日々残高が公表されているETFの推移で、10月の中旬以降残高が減少している。大所のファンドは、最大銘柄「SPDR(スパイダー)ゴールド・シェア」を対象にすることが多いので、スパイダーで見ると、今月に入りここまでで(18日まで)約39トンの減少となっている。先週末13日時点で世界全体の金ETFの残高は、3874.4トンだった。月初から2週間(10営業日)で24.2トンの減少だった。やはりスパイダーのシェアが大きい。このままいくと11月は月間ベースで久々にマイナスということになりそうだ。あくまで今のペースでいくならということだが。来週のサンクスギビングまでに益出しという売りが出ているものと思われる。仮に何か市場の潮目が変わることを察知した場合の解約は、スパイダーだけで単月で70~80トンほど残が減少すると思われる。現時点でそれが起きるとは思えないが、いつもでも注意は必要だ。

方向感の出なくなったNY金だが、今週に入り米債相場も同じで1%に突っかけていたものが、急ブレーキがかかってしまった。1950ドルで止められたNY金と同じだ。すべてワクチン騒動のもたらしたもの。そこに米国政治のこう着状態がかぶっている。イラクの核施設空爆を打診して取り巻きに反対されたと伝わる米現職大統領だが、ジョークでしょ。笑い話だわ・・笑えないけど。任期満了が2カ月後に迫る中で、仕掛けて後は野となれ山となれということかな。

18日は、オンラインイベントの講演で、NY連銀のウィリアムズ総裁がワクチンは中期的にはプラス材料だが、政府の支援策がなくなれば、回復の足取りが鈍る恐れがあると警告した。一方、JPモルガンチェースのダイモンCEOは、追加財政政策を巡る協議が暗礁に乗り上げていることに対し、議会を厳しく非難したと。

実際に大統領選後に与野党の追加対策を巡る話し合いは行われていない。この点で、18日メドウズ大統領首席補佐官がマコネル共和党上院院内総務と会談。終了後の記者団からの質問に、「協議は、もし起きるのであれば、下院と上院によって決まるだろう」と述べたとされる。選挙直前まで、同補佐官はムニューシン財務長官とともに民主党ペロシ下院議長と連日協議を続けていた。選挙前の協議成立を成果にしようとしていたホワイトハウスは、選挙終了で協議に「興味を」失った様子。経済界は景気の失速懸念から、国民の多くは日々の生活のために、早期の合意を求めている。Make Me Great Again !! をジュリアーニ元NY市長に託して本人はゴルフかな。。。
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