[WGC東京発レポート] ポートフォリオのリスク管理と金投資
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金は、投資ポートフォリオに内在する様々なリスク要因に対して他の資産にはない特有性を持ち、従ってリスクに対するヘッジ効果を発揮します。
ワールド ゴールド カウンシルは、本日、「ポートフォリオのリスク管理と金投資」と題するレポートを発表しました。同レポートは、ポートフォリオ運用上考慮すべき7つのリスク要因を特定し、それらのリスクを管理するにあたって金が果たせる役割について分析しています。
1. 信用リスク:
金は、デフォルトすることがなく、信用リスクが存在しない。
2. 為替リスク:
金の通貨としての特有性は変わらない。しかも、金価格は基軸通貨ドルと負の相関であり、通貨分散の役割を担うことができる。
3. 流動性リスク:
金は、伝統的資産と同程度の流動性を持つ。リーマンショック時、一部の伝統的資産の流動性が枯渇する中、金はその流動性を確保した。
4. インフレリスク:
実物資産である金は、インフレヘッジ機能を持ち、特に予想外のインフレや高インフレ時に威力を発揮することが分かっている。
5. 金利・株価変動リスク:
金価格は、金利変動や株価変動と違った動きをする。これにより金は伝統的資産に対するリスク分散の役割を担うことができる。
6. テールリスク:
歴史的分析によると、テールイベントが発生した場合、金にはポートフォリオの損失を抑制する効果が期待できる。
7. オペレーショナルリスク:
金価格、および金ETFなど上場商品への投資手段の透明性は極めて高く、オペレーショナルリスクの発生余地を最小化している。
ワールド ゴールド カウンシルの日本代表を務める森田隆大は以下のように述べています。
「マクロ環境の不確実性が高い場合には特に、ポートフォリオの運用において、リスク管理はリターンの確保と同程度に重要です。金を保有することによって、ポートフォリオ運用に内在する様々なリスクを抑制しつつ、より高いリターンを安定的に確保することができます。伝統的資産から成るポートフォリオに、わずか2.9%から9.4%の金を追加するだけで、分散効果を最大限発揮することができます。」
このレポートは、ワールド ゴールド カウンシルによる日本の機関投資家向けレポートシリーズの第6弾にあたり、過去5巻のレポートを集大成したものになります。
ワールド ゴールド カウンシルの分析レポート(日本語版)はhttp://www.gold.org/investment/research/ にてご覧いただけます。
ワールド ゴールド カウンシルについて
ワールド ゴールド カウンシルは、金市場の育成を目的とする組織です。投資、宝飾、テクノロジー、政府関連分野において、金に対する持続的な需要を喚起するためのリーダーシップ活動を行っています。
ワールド ゴールド カウンシルは、金市場に関する真の洞察力を生かし、金をベースにしたソリューションやサービス、市場の育成を行っています。こうした活動を通じ、主な市場分野に金需要の構造的変化を喚起しています。
ワールド ゴールド カウンシルは国際金市場に対する洞察を提供することにより、富の保全や社会・環境面で金が果たせる役割についての理解を深める活動を行っています。
ワールド ゴールド カウンシルは世界の主要金鉱山会社をメンバーに持ち、英国本部のほかインド、アジア、欧州、米国などにオフィスを有しています。