金地金の1~9月買い取り・販売が昨年通期上回る 田中貴金属
貴金属大手の田中貴金属工業は23日、1~9月に買い取った金地金が30.6トンとなったと発表した。前年同期比50%増え、2012年の実績を9カ月間で上回った。販売量も28.0トンと同様に12年の年間実績を超えた。金相場が4月以降大きく変動したため売買が活発だった。
金の国内価格は2月に過去最高値をつけた一方で4~6月は3割下落。7月からは上昇基調に転じたが足元では方向性の乏しい状況が続く。
国内の消費者は高値で金を売り安値で買う傾向が強く、買い取り量は6月までに前年1年間と比べ99%とほぼ肩を並べていた。
ただ7月以降は買い取り、販売ともに6月よりも低調となった。「相場が乱高下し、消費者は売買のタイミングを見極めようと慎重になっている」(同社)ためだ。
他の地金商でも足元の売買は低調との声が多く、消費者が保有していた地金の売却は一巡したとの見方も出ている。