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金ETFや産金株への投資が再び堅調-マイナス金利時代に突入で

  • ソロス氏ら資産家、産金最大手バリックの利益や配当を重視
  • マイナス金利の局面では金保有が急に理にかなう:ゲール氏

世界の国債の約8兆1000億ドル(約890兆円)相当がマイナス金利となっているこの時期に、金と産金株が再び選好されているのを理解するのは簡単だ。

  「SPDRゴールド・シェアーズ」に流入した投資資金は今年に入って89億ドルと、ブルームバーグが追跡している上場投資信託(ETF)の中で最大。産金世界最大手、カナダのバリック・ゴールドの届け出によれば、1-3月(第1四半期)には資産家ジョージ・ソロス氏率いる企業を含むファンド運用会社約1100社が、バリック株を計7800万株余り取得した。年初来の金価格はここ10年で最高のパフォーマンスを示しており、主要産金会社約12社の時価総額は倍増している。

金投資が拡大

  世界の経済成長が減速する中、金価格を押し上げているのは、安全資産を求める投資需要とインフレが加速した場合の代替通貨としての金の魅力だ。

  資産家スタンレー・ドラッケンミラー氏は、各国・地域の中央銀行による前例のない景気刺激策が「マイナス金利というばかげた考え」につながったとして金に投資。ヘッジファンド運用者のデービッド・アインホーン氏は、「逆効果をもたらす金融政策」は金価格が上昇に向かうことを意味すると述べた。

  380億ドルを運用するリッジワース・インベストメンツのシニアストラテジスト、アラン・ゲール氏は「マイナス金利の局面では、金の保有が急に理にかなうようになる。金を保有していても利息は支払われないが、少なくとも投資家が損失を被ることはない」と指摘。ソロス氏などによるバリック株保有の動きについては、配当を受け取れるという利点もあり、「産金セクターが堅調であることを示唆している可能性がある」と述べた。

原題:‘Strong Hands’ Returning to Gold in New World of Negative Yields(抜粋)

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