科学

原始の藻に凄いチカラ…レアアースも吸着、「都市鉱山」の資源回収へ

 草津温泉(群馬県)などにすむ原始的な藻類を使って、廃棄された電子機器から希少金属を回収するユニークな研究を筑波大などが進めている。普通の生物は死んでしまう強い酸性のお湯に生息し、金属を効率的に集める不思議な能力の活用を目指す。資源問題の解決に向け大きな力になるかもしれない。(草下健夫)

草津、登別に生息

 筑波大の蓑田歩(あゆみ)助教(植物分子生理学)らが研究しているのは「ガルディエリア・スルフラリア」という藻類。名湯として知られる草津や登別(北海道)など酸性の温泉で生きている。

 細胞に核を持つ生物の中で最も酸性に強く、水素イオン指数(pH)0・1の強酸性にも耐える。硬い細胞壁を持つため乾燥にも強い。草津温泉で露天風呂などの岩肌が緑色になっているのは、この藻類が繁殖しているためだ。

 直径100分の1ミリ程度の単細胞生物。37~56度のお湯に生息し、金属を高濃度に含む溶液中でも死なない。「非常にストレスに強い生き物」(蓑田助教)として以前から知られていたが、あまり注目されていなかったようだ。

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