密輸事件の没収金塊64キロ、3億円相当が〝異例〟の競争入札に 大阪地検

 密輸事件の捜査で押収され、裁判所が没収を命じた金塊計約64キロを、大阪地検が一般競争入札にかけていることが24日、分かった。現在の相場では3億円相当に上り、犯罪の押収品でこれほどの高額競売は極めて異例とみられる。地検は26日に開札し、落札者を決める。

 地検によると、この金塊は関税法違反などの罪に問われた被告の有罪判決が確定し、没収された。貴金属製造販売大手「田中貴金属工業」(東京)によると、24日の金の買い取り価格は1グラム当たり4721円(税込み)。今回の金塊の重量で換算すると約3億200万円に上る。

 大阪地検がこれまでに行った没収金塊の入札では、平成23年に約19・9キロと約12・9キロの金塊がそれぞれ約8610万円と約4630万円で落札された。いずれも当時の買い取り価格と比較して98%超の高水準の落札額だった。

 同社によると、金は溶かして加工することができ、犯罪に関連した没収物だからといって価値が損なわれることはないという。そのため「相場に近い落札額になるだろう」(同社)と予想している。刑事訴訟法は没収物の処分を検察官が行うと規定。売却で利益が得られるものは競売の対象となり、売却代金は全額が国庫に入る。

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