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和歌山「紀三井寺」縁結びの階段上って金色の大観音像のもとへ


西国三十三所観音霊場第二番札所・和歌山県和歌山市の紀三井寺。山内に湧く三つの霊泉から、紀三井寺の名で親しまれている名所だ。
231段の階段がある結縁坂や早咲きの桜、数々の文化財、なかでも寄木立像としては日本最大の千手十一面観音像は今イチオシの見どころスポットだ。境内からは、日本遺産認定「和歌の浦」が見渡せる。
開運・商売繁盛・良縁・厄除けなど、願いをかなえてくださる観音様に会いに紀三井寺へ行こう。

不思議な由緒が伝わる紀三井寺

写真:塚本 隆司

紀三井寺は、今からおよそ1250年前、奈良時代770(宝亀元)年に唐から渡ってきた僧・為光上人が、この地で千手観音と出会われ開基したという。正式な寺名は、紀三井山金剛宝寺護国院。
あるとき、為光上人が竜宮の乙姫に請われて竜宮城で説法した帰り、7つの宝物をもらったそうだ。鈴、五鈷、錫杖、梵鐘、法螺貝、応同樹、七本桜の7つ。鈴、五鈷、錫杖は今も寺宝として伝わり特別拝観時などで見られる。

写真:塚本 隆司

梵鐘は大きく運べなかったので、龍神が浜まで届けに来たとか。その梵鐘の竜頭の環(鐘楼に吊すための部分)に布を結び引き上げたことから「布引」の地名が今も残る。七本桜は、やがて「日本さくら名所百選」に挙げられる桜の名所となった。
境内の本堂や楼門、鐘楼、多宝塔は、いずれも国や県の指定を受ける重要文化財。樹齢およそ400年の大クスノキも見事だ。本堂内の霊宝堂では、宝物拝観ができる。六角堂は、西国三十三カ所御本尊がまつられているため、西国巡礼と等しい功徳が得られるありがたいお堂だ。

写真:塚本 隆司

境内から見える景色は、平成29年度に日本遺産に認定された「絶景の宝庫 和歌の浦」。古くから多くの文人墨客が訪れた景勝地というのもうなずける。

圧巻!紀三井寺の名所、金色の千手十一面観音立像

写真:塚本 隆司

本殿と向かい合うように建つ新仏殿。紀三井寺がある名草山のふもとからもよく見える仏殿だ。

写真:塚本 隆司

内部に新仏殿のご本尊がある。高さ12メートル、重さ約30トンの金色に輝く巨大な観音像。その大きさには、誰もが息をのむことだろう。寄木造の木造立像としては、日本最大の総漆金箔張大千手十一面観世音菩薩像。2008年に落慶法要が営まれた。
新仏殿の見学は無料。写真を撮るのも自由だ。観音様の手と五色のお手綱でつながる五鈷に触れれば、慈悲深い観音様の功徳に授かれる。

写真:塚本 隆司

参拝料100円で3階へとあがれば、観音像のお顔を正面で拝める。観音様の目線で境内を眺めるのも良い。

紀三井寺で良縁、紀伊国屋文左衛門ゆかりの結縁坂

写真:塚本 隆司

表参道からの参詣は、朱色が鮮やかな楼門。存在感のある姿に目を奪われがちだが、欄間の彫刻や金剛力士像も見どころ。
楼門を抜けると231段もの急な石段がつづく。結縁坂(けちえんざか)といい、江戸時代の豪商として知られる紀伊国屋文左衛門の逸話が残っている。

写真:塚本 隆司

大豪商も、若い頃は貧しい青年だった文左衛門。ある日、孝養厚い彼は母を背負って紀三井寺にお参りをした。途中、草履の鼻緒が切れて困っているところ鼻緒を取り換えてくれたのが、和歌浦湾を挟んで向かいにある玉津島神社の宮司の娘、おかよ。これがきっかけで結ばれた2人。やがて、宮司の出資金を元にミカンと材木の商いで大出世したとか。
それ以来「結縁坂」と呼ばれ、開運・商売繁盛・良縁成就の坂となったそうだ。

写真:塚本 隆司

急な石段は、男厄除坂(42段)女厄除坂厄(33段)と厄年にちなんだ段数で分かれている厄除の坂でもある。
まるで人生。二人して観音様に願いを込めながら歩くと、さらに御利益があるだろう。本堂には、縁結びのお守りがある。

紀三井寺の名前の由来、三井水

紀三井寺の名は3つの霊泉、三井水(さんせいすい)に由来する。三井水は、清浄(しょうじょう)水・楊柳(ようりゅう)水・吉祥(きっしょう)水。多くの歴史書にも記され、紀州初代藩主徳川頼宣が整備し直したことも記録に残っている。
環境省が発表している「名水百選」に「紀三井寺の三井水」として選ばれ、歴史だけではなく水質としても名水なのだ。
まず、初めに目にするのが、結縁坂の途中にある小さな滝、清浄水だ。ここは、為光上人は竜宮の乙姫と出会った霊泉ともいわれている。もしかすると、竜宮城とつながっているかも知れない。

写真:塚本 隆司

楊柳水は、清浄水の小滝の上にある道を南へ100メートルほど行くとある。飲めば病から救われる健康長寿の水だとか。(飲料用としては、念のため煮沸が必要)

写真:塚本 隆司

吉祥水は、「瀧のぼりの清水」として親しまれている。北に400メートルほど離れた裏門のさらに北、境内の外にある。

写真:塚本 隆司

紀三井寺の新名所「ざんげと招福の水場」で、穢(けがれ)を払おう

写真:塚本 隆司

2017年4月、参詣道から楼門へと続く階段の脇に「ざんげと招福の水場」が設置された。錫杖(しゃくじょう)を手にする白衣観音のもとに、清浄水が引かれている。

写真:塚本 隆司

清浄水は、罪を洗い流してくれる霊水。水に溶ける人型のお札を手に取り、懺悔(ざんげ)したいことを念じ、流れ落ちる清浄水に打たせる。すると、お札は消えて無くなった。
懺悔し穢れを洗い流してから、福を招くため祈るというわけだ。

紀州徳川家藩主から庶民まで、観音信仰の地・紀三井寺

場所は、和歌山市内から和歌山マリーナシティやポルトヨーロッパへと向かう中間あたり。駐車場は有料だが参道沿いにいくつかある。JR紀勢本線(きのくに線)紀三井寺駅から歩いて約10分。近くには、紀州東照宮や紀三井寺球場などがある。
古くから信仰を集めてきた地・紀三井寺。紀州徳川家代々の藩主から庶民まで、多くの人が祈願に訪れてきた。初詣や厄除けなど、さまざま節目に地元の人と紀三井寺は共にある。今では、県外・国外からの参詣者も絶えない。
信仰、歴史、景観、どれをとっても和歌山県屈指の名所。特に桜の季節は見逃せない。

■関連MEMO
紀三井寺
http://www.kimiidera.com
和歌山市観光協会
http://www.wakayamakanko.com

【トラベルjpナビゲーター】
塚本 隆司

提供元:トラベルjp 旅行ガイド

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