かながわ美の手帖

岡田美術館「これぞ黄金の国・日本 金屏風展 -狩野派・長谷川派・琳派など-」

【かながわ美の手帖】岡田美術館「これぞ黄金の国・日本 金屏風展 -狩野派・長谷川派・琳派など-」
【かながわ美の手帖】岡田美術館「これぞ黄金の国・日本 金屏風展 -狩野派・長谷川派・琳派など-」
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 ■大迫力の回廊、興味深い発見も

 箱根町の岡田美術館では今年の黄金週間がまだ続いているかのようだ。開催中の特別展「これぞ黄金の国・日本 金屏風(きんびょうぶ)展 -狩野派・長谷川派・琳派(りんぱ)など-」。金屏風だけで構成する初めての展覧会企画という。あでやかに彩られた空間を埋め尽くす金。その繊細な表現の数々に、酔う。

 ◆晴れやかに

 日本美術の花とされる金屏風が、同館3階の全4室に、時代順に5章立てで並ぶ。その数、ざっと30点。大迫力だ。

 最初の展示室〈第1章=桃山時代~江戸時代前期〉は、左に「春秋花鳥図屏風」など狩野派の3点、右に「網代垣藤花・萩薄図屏風」など長谷川派の2点が向かい合っている。まさしく黄金の回廊だ。豪華で力強い狩野派と、繊細で優美な長谷川派。正反対の画風が即座に分かる。

 「回廊を歩くことで金の輝きと、そこに描かれた花や鳥、扇形などに囲まれ、晴れやかな気分を味わってもらえると思う」と同館主任学芸員の小林優子が展示意図を語る。

 「春秋花鳥図屏風」は右隻に春の桜と海棠(かいどう)と孔雀(くじゃく)、左隻に秋の菊と萩と紅葉を配し、金箔(きんぱく)による雲や霞が重層的に広がる。隣には、めでたさにあふれた図柄の「松に鶴図屏風」が並ぶ。金色の中に純白の鶴と緑の松、赤い椿などが鮮やかに描かれ、目を奪う。

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