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黄金や水晶の装飾品など150点 モンゴル国宝級一堂に 大分県立歴史博物館

 13世紀、チンギスハンが創建し、ユーラシア大陸に史上空前の版図を築いたモンゴル帝国の栄華や遊牧民族の文化などを紹介する「カラコルム建都800年 モンゴル展」が、大分県立歴史博物館(同県宇佐市)で開催されている。帝国の首都カラコルムの建都800年を記念し、国内外で今年開催される関連イベントの一環。きらびやかな宝飾品など海外初展示の国宝級文化財を含む150点が集められている。3月8日まで。

 高位の女性貴族しか着用を許されなかったという2005年発掘の「帽子装飾」は貴重な展示品の一つ。黄金とみられる台座に精緻な成形と彫刻を施し宝石をちりばめている。現在の技術でも同様のものを制作するのは難しいとされる。国立カラコルム博物館のラグワスレン・シネバト館長(34)は「国宝級だが、指定されると国外に持ち出すことが難しくなる。本展のために手続き開始を遅らせた」と打ち明ける。

 硬い水晶にさまざまな加工を施した男性貴族用ベルト装飾品も「実は国宝級なんですよ」と話すのはモンゴル国立大のウラムバヤル・エルデネバト教授(47)=考古学。モンゴル帝国の加工技術の高さを示しているという。

 一方、同展では元寇(げんこう)時の火薬武器「てつはう」(長崎県松浦市教育委員会所蔵)や元軍兵士が着用したかぶとなども展示。モンゴルとの交流史にも光を当てる。ウラムバヤル教授は「てつはうやかぶとを含め、800年前にモンゴルによって作られた品々が時を超え日本で一つになる」と感慨深げ。ラグワスレン館長は「モンゴルと日本との間には、悲しい過去を含め長い交流の歴史があることを多くの日本人に知ってほしい」と期待する。

 宇佐市とモンゴルの接点は、市出身の角聖・横綱双葉山を敬愛する横綱白鵬関の存在が大きい。今夏の東京五輪に出場するテコンドー同国代表の事前キャンプ地となった市は長年、友好関係を醸成してきた。大分県立歴史博物館が持つ出土遺物保存技術を通じた同国への貢献なども評価され開催に至った。 (吉川文敬)

 ■カラコルム建都800年 モンゴル展 3月8日(日)まで、大分県立歴史博物館(同県宇佐市高森)。西日本新聞社など後援。開館は午前9時~午後5時。月曜(祝日の場合は翌日)休館。一般310円、大学・高校生160円、中学生以下無料。同博物館=0978(37)2100。

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