金の世界需要が低迷、7~9月は4年ぶり水準
金の調査会社ワールド・ゴールド・カウンシル(WGC)は14日、金の世界需要が7~9月に869トンと4年ぶりの低水準になったと発表した。インドの需要が前年同期と比べ3割減ったのに加え、上場投資信託(ETF)からのマネー流出が続いたのが主因。
インド政府は8月に金の輸入関税の引き上げなど抑制策を一段と強化。通貨ルピー安・ドル高の進行で現地価格が割高となり需要が鈍った。7~9月の宝飾品と地金(じがね)、金貨の需要は合計148トンと前年同期比32%減った。中国は同18%増の210トンで対照的な動きとなった。
金のETF残高は7~9月に119トン減り2005トン。3四半期連続で流出したが4~6月より減少幅は縮小した。
1~9月累計の世界需要は合計2805トン。2012年通年(4383トン)の約6割。スタンダードバンクの池水雄一東京支店長は「新興国の消費者は足元の相場を割高ととらえている。相場がさらに下げないと実物需要の増加は期待できない」と指摘する。