中国の金輸入が過去1カ月で減少、需要縮小や人民元安で=関係筋

中国の金輸入が過去1カ月で減少、需要縮小や人民元安で=関係筋
4月4日、中国の銀行は過去1カ月間、金の輸入を減らしている。春節(旧正月)を過ぎて需要が縮小しているほか、人民元安が背景。複数の銀行筋やトレーダーらが明らかにした。写真は昨年2月、香港最大の取引所で撮影(2014年 ロイター/Bobby Yip)
[シンガポール 4日 ロイター] -中国の銀行は過去1カ月間、金の輸入を減らしている。春節(旧正月)を過ぎて需要が縮小しているほか、人民元安が背景。複数の銀行筋やトレーダーらが明らかにした。
中国は昨年、インドを抜いて世界最大の金消費国となった。輸入量の大幅な減少は、世界的な金価格に影響を及ぼしかねない。世界的な金価格は3月、株式への資金シフトから3%下落した。
金は春節(今年は1月31日)に伴う贈り物として人気があり、銀行はこれより前に金の在庫を増やしたが、その後は金輸入を減らしている。銀行筋によると、銀行は需要が弱い時に金輸入を増やしたがらず、また、人民元安の状態だと販売しても損失が発生するという。人民元は2─3月に2.5%下落した。
また、少数の銀行は人民元が現在よりも高かった際に輸入していた在庫があり、価格が上昇するのを待っているようだ。
中国は2013年、本土に向かう金の主要な経由地である香港から、過去最高となる1158.162トンの金を輸入。世界的な金価格が28%下落し、需要が拡大した。
アナリストらはこれまで、価格ボラティリティーが買い意欲に影響を与える可能性があるとして、今年の中国の金輸入は昨年の水準に届かないだろうと指摘している。

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