中国の業者、偽装の金取引担保に152億ドル調達=審計署

[上海 26日 ロイター] - 中国の審計署(会計検査院に相当)は、同国の金地金加工業者が2012年以降、偽装された金取引を担保に944億元(152億ドル)の銀行融資を受けていたとする報告書を公表した。
中国では金塊や銅、ゴム、大豆を担保に資金を借り入れ、不動産などリターンの高い部門に投資することが広く行われてきた。大半は合法的だが、審計署の今回の報告やすでに取り沙汰されている青島港での金属担保融資をめぐる詐欺疑惑は、当局に取り締まりの強化を促す可能性がある。
審計署が金地金加工業者25社に対して行った立ち入り検査では、偽装金取引で調達した融資を基に、国内外の金利差や人民元の上昇を活用して合計9億元以上の利益を得ていたことが判明した。調査は2012年以降のものだが、いつまでかは明らかではない。
また、企業や銀行の名前を特定していない。
審計署は、石炭、トウモロコシや綿花の備蓄についても問題が見つかったと報告した。
具体的には、緊急用石炭備蓄の施設12カ所の検査で、月間平均備蓄量が2011年に目標を約30%下回り、2012年は18%下回っていたことが明らかになった。
綿花備蓄の27%に当たる243万トンは2013年6月時点で屋外に保管され、中国食糧備蓄管理総公司(シノグレイン)が輸入したトウモロコシの70%程度は不純物が基準の3%を上回っていたことが判明した。

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