中国が金フォワード取引の解禁検討、相場への影響力拡大へ

[シンガポール/上海 22日 ロイター] - 関係筋によると、中国の商品取引所である上海黄金交易所(SGE)は、国内初となる金のフォワードとオプションの導入を検討している。これにより国内の金取引が拡大すれば、アジアでの指標価格決定で中国市場の影響力が強まり、ロンドンの金市場に匹敵するような国際的な市場になる可能性がある。
中国は現時点で投機的取引を防ぐため、コモディティ(商品)のオプションとフォワード取引を規制しているが、市場開放に向け、こうしたデリバティブ(金融派生商品)の取引を解禁する方向で準備を進めている。
SGEは先月、「国際板」による金取引を始めた。これにより、海外投資家はオフショア人民元を使い、中国の金市場に直接投資することが可能になった。今後は流動性を高めるため、扱う金融商品を増やす方針。
SGE関係者は「国際板で金フォワードを半年から1年の間に開始することを目指している」と語った。一方、オプションについては、検討しているが、まず国内投資家を対象とした市場で始める可能性があるという。
世界の貴金属取引の中心であるロンドン市場で100年近く続いてきた金値決め方式が透明性向上に向け見直されるなか、中国が海外投資家に国内金市場を開放し流動性が高まれば、金相場への中国の影響力は一段と強まるとみられる。
金のオプション取引に関心を示しているのはSGEだけではない。証券筋によると、上海先物取引所(SHFE)はここ数年、金オプションの取引を検討していたが、金の時間外取引や原油先物取引開始に向けた準備に追われ進んでいなかったという。
アナリストは、こうした金融商品を扱う金融機関が少ないことも課題だ、と指摘する。
関係筋によると、SHFEとSGEともに、金のオプション取引を数カ月以内に開始する可能性があるが、参加者が限られることから取引は低水準になる見通し。

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