英国EU離脱で日本人専門家「安全資産の金、評価高まる」

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英国EU離脱、という国民投票の結果は、日本市場にも激震をもたらした。日経平均の終値は約16年ぶりの下げ幅となり15,000円を割り、安定資産として円が買われ、一時は1ドル99円代をつけるほどの円高に突入した。

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インフレ・株高・円安を基軸にしていたアベノミクスの見込みは外れ、日本の資産運用の環境は変化していくことになる。その中で、価格が上昇しているのが金だ。第一商品株式会社のアナリスト、村上孝一氏は、金が上昇する理由を2点挙げている。

村上氏「6月24日、NY金は1360ドル台まで上がりました。その後、1310ドル台まで下げていますが、これはかなり急伸したために、おそらく手仕舞いが入っているだけだと思います。今回の英国EU離脱でリスクが発生していることを考えると、金にとってはプラスになると思います。ETF(上場投資信託)などの投資需要の盛り上がりも期待されます。NY金は、2013年9月に1400ドルをつけています。私は、今後、その1400ドルというラインに向けて上がっていくと見ています。」

スプートニク:それは安全資産としての金の評価がますます高まるということでしょうか。

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村上氏「そうですね。もうひとつの理由ですが、今回の国民投票結果を米国の金融当局が気にしています。6月にFRB(米連邦準備制度理事会)が利上げを見送ったのは、英国の国民投票の結果を見たい、ということで見送ったのです。それが、このような結果になりましたから、当然米国も更に利上げがしにくくなりました。今のところ9月に利上げする可能性が一部ありますが、今後もし経済統計が悪くなれば、更にずれて、下手をすれば12月になる可能性もあります。米国の利上げ観測の『後ずれ』というのも、今後金価格が上昇していく要素になると思います。」

英国は、今後2年間、EUからの離脱交渉を行っていくことになると見られる。それに従い円高株安も長期化すると予想される。金融市場の不安定・不透明感は続き、離脱の具体的な影響が今後鮮明になっていくことだろう。

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