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インドの花嫁、現金不足で結婚指輪買えず-金需要落ち込む

  • 宝飾品小売業者の大半はクレジットカードを受け付けない
  • インドでは消費者の支払いの98%がルピー紙幣で行われている

世界有数の金購入国インドでは、政府の高額紙幣廃止政策によって引き起こされた現金不足により、宝飾品小売業者が混乱状態に陥っている。金の売り上げは落ち込んでいる。

  マーケティングコンサルタントのレニタ・フェレイラさんは今年2月24日に結婚式を開くことを1年前から決めていた。しかし、フェレイラさんと婚約者は、インド西部ゴア州の州都パナジで多くの小売店を回ったにもかかわらず、まだ結婚指輪を購入できていない。インドの宝飾業界は大部分が現金で運営されているため、大半の小売業者はクレジットカードを受け付けず、最近は消費者の手持ち現金も大幅に少なくなっている。

Small Gold Retailers Irked By Modi Imposing A 1% Excise Tax On Jewelry

インドの金装飾小売り店

Photographer: Dhiraj Singh/Bloomberg

  インド政府は昨年11月、汚職と脱税の撲滅計画の一環として、流通している現金の一部の使用を禁止。この動きにより、自動車やせっけんなどあらゆる物品の購入が落ち込んでいる。同国では消費者の支払いの98%がルピー紙幣で行われている。代替通貨が発行されたものの、小売原価上昇により既に鈍化していた金の需要が一層落ち込んでいる。

  フェレイラさん(28)は「高額紙幣廃止で計画が全て狂ってしまった。現金は選択肢にはならない。指輪がなければ結婚できない」と語った。

原題:Cash Crunch Leaves India Gold Lovers No Way to Buy Wedding Rings(抜粋)

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