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イエレン議長の金利上昇見通し、金相場の上昇停止にはつながらず

  • 買越残高が減少後、金相場は週間ベースで上昇
  • トランプ米大統領の財政政策で債務膨らむとの懸念広がる

金市場の強気派は、有利な状況を目の当たりにしてもそれを信じることができないかのように行動している。

  強気派はそうした状況をもっと信じるべきだった。ヘッジファンドによる金の買越残高が3週間ぶりに減少した直後に、金相場は2カ月ぶりの高値に近づき、週間ベースでは3週連続で上昇した。イエレン米連邦準備制度理事会(FRB)議長による米金利上昇見通しは、金投資家が強気姿勢を崩すのに十分な材料にはなっていない。トランプ米大統領の財政政策により債務が膨らむとの懸念が広がる中、投資家らは価値の保存手段として金を購入。オランダやフランス、ドイツは今年選挙を控えており、欧州連合(EU)離脱を望む反体制派候補に対する不安も高まっている。

  BB&Tウェルス・マネジメント(アラバマ州)でシニアバイスプレジデントとして170億ドル(約1兆9200億円)相当の運用に携わるウォルター・ヘルウィグ氏は「EU離脱を選択する国が増える可能性が示唆されれば、金市場に資金が流入し得る」と指摘。「トランプ大統領の財政政策は非常に積極的なものとなる見通しで、米国の財政赤字に対する懸念が広がっていることも金に有利に働くかもしれない」と述べた。

買い越し減少

  米商品先物取引委員会(CFTC)が17日発表したデータによれば、ファンドによる金の先物とオプションの買越残高は14日終了週に10%減少し6万7982枚。ただ買越残高は、年初からでみると依然として約65%増加している。

原題:Yellen Can’t Halt Trump Gold Rally That Hedge Funds Bet Against(抜粋)

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