金価格、国内外で下げ基調 国際価格は1カ月ぶり安値
金価格が内外で下げ基調を鮮明にしている。3月中の米利上げ観測の急浮上で、保有しても金利の付かない金には売り圧力が強まった。ニューヨーク市場の金先物相場は米国時間7日、前日比9.4ドル安の1トロイオンス1216.1ドルで通常取引を終えた。一時は1214.1ドルまで下がり、2月上旬以来、約1カ月ぶりの安値をつけた。日本時間8日午後時点の時間外取引も1216ドル前後で推移している。
3月に入って米連邦準備理事会(FRB)のイエレン議長が3月利上げに意欲的な発言を示し、市場では「3月利上げを織り込み始めた」(マーケット・アナリストの豊島逸夫氏)。金相場には金融引き締めをめざす利上げは弱材料で、2月下旬の年初来高値(1260ドル台)に比べ約4%安くなった。
東京商品取引所の円建て金先物相場も8日、取引の中心となっている期先2018年2月物が前日比37円安の1グラム4432円で通常取引を終えた。
マーケット・リスク・アドバイザリーの新村直弘代表は、3月中旬の米連邦公開市場委員会(FOMC)で利上げが決まった場合は「金の国際相場は一時的に1200ドルを割り込む可能性がある。その後は最近の米国でのインフレ懸念や通貨ユーロ不安を背景に買い戻される」との見方を示している。