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ヘッジファンドの金買い越しが増加-ドル沈没なら「救命ボート」に

  • SPDRゴールドへの資金流入は7カ月ぶり高水準
  • ファンドによる金の買越残高は昨年11月以来の高水準に

ヘッジファンドによる金相場上昇を見込む買い越しは昨年11月以来の高水準に達し、年初来で12%高となっている金の値上がりが今後も続くと予想されている。

  上場取引型金融商品(ETP)を通じた金投資も増加し、金連動型上場投資信託(ETF)としては最大の「SPDRゴールド・シェアーズ」には19日、4億8700万ドル(約540億円)が流入した。これは同ETFへの1日当たりの資金流入額としては7カ月ぶりの高水準。

買い越し積み上がる

  ドル相場が11月以来の低水準近辺で推移する中、金相場は活況で、代替資産としての魅力が高まっている。米国と北朝鮮との緊張が高まり安全資産の需要が拡大する一方で、トランプ米大統領が打ち出した減税と成長戦略の導入の遅れが企業業績見通しに暗雲を投げ掛けている。

  金ETFを含め430億ドル相当の運用を手掛けるコメリカ・アセット・マネジメント・グループのピーター・ソレンティーノ最高投資責任者(CIO、ダラス在勤)は「現時点では資産保存手段としての需要が旺盛だ。ドルを保有しその価値が下がるリスクを取るよりも、沈没する船から逃れるための救命ボートとして金を利用できる」と指摘した。

  米商品先物取引委員会(CFTC)が21日発表したデータによれば、資産運用会社による金の先物とオプションの買越残高は18日終了週に15%増加し16万1263枚。

原題:Hedge Funds Jump on Gold as Life Raft Amid Dollar’s Sinking Ship(抜粋)

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