発券局職員が記念金貨盗んだ疑い、16枚・155万円の不足が判明=日銀

日銀職員が記念金貨窃取の疑い、16枚・155万円の不足が判明
 4月18日、日銀は、発券局が保管している記念金貨の一部を同局の職員が窃取した可能性が高いとして、警察に被害届を提出したと発表した。都内の日銀本店近くで2014年1月撮影(2018年 ロイター/Yuya Shino)
[東京 18日 ロイター] - 日銀は18日、発券局の職員1人が、保管している記念金貨のうち計16枚・155万円分を盗んだ可能性が高いとして、同日に警察に被害届を提出した。日銀では、記念貨の鑑査作業などの体制に不備があるとし、原因の究明とともに、再発防止策の策定に全力をあげる。
被害があったのは都内にある日銀本店の発券局日本橋発券課で、現在判明している被害は「皇太子殿下御成婚記念」「天皇陛下御即位記念」「天皇陛下御在位記念」の金貨16枚、計155万円。これ以外の被害の可能性についても調査中で、各支店が保管する記念貨も調査する。
4月10日に同行監事が発券局金庫の定例監査を行った際に、5万円金貨1枚が不足しているのを発見。その後に保管してあるすべての記念貨を調査するとともに、関係局員に調査を行った結果、発券局職員1人が記念貨を鑑査し、袋に収容する作業の過程で抜き取った可能性が高いことが判明した。
午後に会見した吉岡伸泰理事によると、職員は管理職ではないが、発券業務のベテランという。日銀としてその職員に事情を聞いたが、吉岡理事は動機や金貨の使途などについて警察の捜査中を理由に回答を控えた。また、盗まれたとみられる金貨は回収できていないとしている。
日銀では、18日付で当該職員の職務を解き、総務人事局付とし、正式な処分は「捜査の進展を踏まえ、事実関係が確認でき次第、厳正に対処する」としている。
記念貨の鑑査作業は2人1組で行うとともに、全体の管理者も置き、ビデオによる撮影も行われているが、不祥事を受けて体制の見直しを検討する。
吉岡理事は今回の事態について陳謝するとともに、「事実関係の解明、原因の究明を踏まえたうえで再発防止を行い、損なわれた信頼の回復に組織をあげて取り組む」とした。
*内容を追加しました。

伊藤純夫

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