キルギスで中国企業の襲撃事件 金鉱開発による環境汚染問題で

2018/04/16
更新: 2018/04/16

キルギス共和国南部のジャララバード州で11日、有毒物質が周辺環境を汚染したとして、住民が金鉱開発を行う中国の企業「GL Makmal Developing」を襲撃する事件が起きた。

ロシアのメディア報道によると、約千人の現地住民が襲撃事件に参加した。事件当時、現地政府は金鉱開発について住民向けの説明会を開いたが、説明会後、住民らは抗議し、工場に侵入して設備を破壊。さらに建物に放火したという。現地の住民数人が負傷したとの情報はあるが、中国側の状況は不明だという。

3月1日にも現地住民は同工場の前で抗議活動を行い、中国側に3月10日までに問題を解決するよう求めていた。

近年、キルギスで中国企業を対象とする抗議事件が多発している。2011年10月、当時のババノフ首相代行はジャララバード州で金鉱開発を行う Chatkal-17(中国企業)のゼクサイ鉱山のすべての作業を停止し、施設の環境状況について調査を実施するよう天然資源省に指示した。地元住民が鉱山開発による環境破壊を訴えていることや、労働法違反の疑いがあるためだ。

また2016年、同国の首都ビシケクにある中国大使館では自動車自爆テロが起きた。

キルギスは中国の巨大経済構想「一帯一路」に参加しており、中国との協力関係を重視している。襲撃事件の当日、中国当局はアジアの経済協力などについて話し合う国際組織「博鰲(ボアオ)アジアフォーラム」でキルギス前大統領に対して「キルギスとともに未来を築いていく」と発言したばかりだった。

(翻訳編集・李沐恩)

関連特集: 一帯一路