世界の金需要1%増 7~9月、WGCまとめ
金の国際調査機関、ワールド・ゴールド・カウンシル(WGC)は1日、2018年7~9月期の金需要が前年同期に比べ1%増の約964.3トンだったと発表した。上場投資信託(ETF)は減少したが、アジアなどの新興国を中心に個人による宝飾品需要や、地金・コインの投資需要が増えた。
内訳は全体の半分強を占める宝飾向けが6%増の535.7トンと堅調だった。消費が多い中国とインドが10%増え、ベトナムやインドネシアといった東南アジアも軒並み増加した。
地金・コインの投資需要も298.1トンと28%増えた。新興国で自国通貨安などへの対策として買われた面が強い。イランが3.4倍になったほか、インドや中国、インドネシアも増加した。
ニューヨーク金先物は米国の利上げ継続観測を背景に6月から下落基調を強め、8月中旬にはドル高も重なり1年7カ月ぶりの安値をつけた。「金相場が下落するとアジアで買いが増える傾向にある」(WGC東京事務所の森田隆大顧問)という。
全体で需要増が小幅だったのは、ETF絡みの資金が流出したためだ。ETFは現物の金を裏付けとして発行されることが多く、ETFの購入が鈍れば金保有残高の減少につながる。WGCによると前年に比べ103.2トンの金がETFから流出した。
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