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今こそ考える? ゴールド(金)投資の魅力渋谷豊の投資の教室(1/3 ページ)

» 2019年02月12日 10時38分 公開
[斎藤健二ITmedia]

 「お金の教養」を身につけることを目指した総合マネースクール、ファイナンシャルアカデミーの渋谷豊取締役とともに、日本人の投資観を探っていく本連載「渋谷豊の投資の教室」第1〜6回はこちら)。第8回は、誰もが一度は気にしたことのあるだろうゴールド(金)への投資について、編集部サイトウが聞いてみました。

ファイナンシャルアカデミーの渋谷豊取締役

渋谷: サイトウさんは、ゴールド(金)に投資をしてみたいですか?

サイトウ: いいと思う半面、持っていても利息もつかないので……と思うのが半面です。ただ、世の中がどうなろうと金の価値はなくないんじゃないかという安心感、世界どこに行っても大丈夫だという安心感はあります。

渋谷: なるほど。では、その安心感は何から生まれていると思いますか? これまで人類が発掘してきたゴールドの総量と、まだ地下に残っているゴールドの埋蔵量を合わせても、少しの量しかありません。希少価値というのにぴったりな資産なんです。

 この対極にあるのが貨幣、つまりマネーです。送料が限定されていて、どうやってもこれ以上作れないゴールドに対して、お札の輪転機を回せばいくらでも刷れるのが紙幣、マネーなんです。中央銀行のトップである、黒田さん、パウエルさん、ドラギさんなど、彼ら中央銀行の意向によってはいくらでもお金を刷れる状況です。そのため、異常なほどお金が刷られたことによってインフレになってお金の価値が無くなる可能性があるというのが貨幣の恐怖なんです。

 一方、ゴールドの埋蔵量は決まっているので、誰か人間により作為的に量を増やせないというのが最大の価値なんです。

サイトウ: 確かに「錬金術」なんていうように、ゴールドはどうやっても作ることはできませんね。いまある分と、地下にある分しかないと。

渋谷: 言い古された表現ですが、過去に掘られたゴールドをすべて溶かして50メートルのオリンピックプールに流し込むと、たったの3.5杯分しかないんですよ。神宮にあるような大きなプールにとろとろと入れてもそれだけしかない。そして、将来掘れるゴールドもプール1杯分しかないといわれています。合わせても4.5杯分くらい。これ以上は増えないというのがゴールドの大きな特徴です。

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