金の先物価格が最高値 新型コロナで“安全資産”に買い注文

金の先物価格が最高値 新型コロナで“安全資産”に買い注文
金融市場で安全資産とされる「金」が買われ、14日の東京商品取引所では、先物価格が最高値を更新しました。新型コロナウイルスの感染拡大で、緊急事態宣言が出され、企業の業績が一段と厳しくなるという投資家の警戒感を反映した動きです。
原油などの先物商品が取り引きされている東京商品取引所では、14日、安全な資産とされている「金」の先物取引で買い注文が広がり、価格が上昇しました。

取り引きの中心になる来年2月ものの価格は、13日より117円上がって1グラム当たり5960円で取り引きを終え、1982年に取り引きが始まって以降、終値としては最も高くなりました。

新型コロナウイルスの感染拡大で、世界の金融市場が混乱した先月には、不測の事態に備えて現金を手元に置いておこうと、株式などを売る動きが強まり、「金」も売られる場面がありました。

その後は、7都府県に緊急事態宣言が出されて以降、休業の要請などで企業の業績は一段と厳しくなるという警戒感を反映して、安全資産の金を買う動きが再び強まり、この1週間で5%近く値上がりしました。

市場関係者は「多くの国の中央銀行が、危機対応として大量の資金を市場に供給しているが、感染拡大が収まるまでは、安全な投資先を求めて手元の資金を『金』に投資する動きが続くのではないか」と話しています。