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高値更新の金、25年投資で学んだ続けるヒント

知っ得・お金のトリセツ(19)

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「ゴールド」すなわち金の語源はサンスクリット語の「輝く」だという。社会不安の時こそ輝きを増す金が今、再び注目を集めている。国際指標であるニューヨーク金先物は27日、一時1トロイオンス1940ドルを突破。2011年に付けた史上最高値を9年ぶりに更新した。背景には先進国で超低金利というニューノーマルが広がったタイミングで勃発したコロナ禍がある。保有するだけでは金利を生まないという金のデメリットは覆い隠され、世界経済の成長率が下方屈折する中、投資家は「有事」にも毀損しない実物資産という金のメリットへと熱視線を向けている。

忍び寄るインフレの予感

将来的にもコロナ対応で世界中でばらまかれた過剰流動性はインフレの芽を育む。貨幣の価値が下がりモノの価値が上がる世界で金が一段と輝きが増すシナリオが現実味を帯びる。専門家の間では「1トロイオンス2000ドルは通過点」との強気が目立つ。米バンク・オブ・アメリカのように21年9月までには1トロイオンス3000ドルをつけるという超強気派もいる。だが、目先は波乱含みだ。マーケットアナリストの豊島逸夫氏は急速に膨らんだ金の上場投資信託(ETF)経由での資金流入に着目。「11月の米大統領選を機にヘッジファンドが利益確定のETF売りを膨らませる」と読む。

高値のニュースにも焦りは禁物

そんな中、個人は金投資とどう向き合えばいいのか? 豊島氏は「金高値のニュースにも買い遅れたと焦らず、毎月飲み会1回分の予算から始められる純金積み立てなどで『かけ湯』をして」と助言する。純金積み立て? それなら自分にもいささか心覚えがある。あれは入社2年目の1994年。コツコツ投資の代名詞、純金積立を始めた。毎月、額を固定して価格変動のあるものを買うと、価格が高い時は買える量が少なく、価格が下がると買える量が増えて自然に「仕入れコスト」を引き下げてくれる。ドルコスト平均法とよばれる長期投資の心強い味方となる考え方だ。今でこそ投資信託など毎月積み立てで買える金融商品は増えたが、当時は金が草分け的存在だった。余裕のある独身時代は月3万円、家庭を持ち出費がかさむようになると引き落とし額を最低の月3千円に引き下げたりしつつ積み立てを続けた。

気がつけば四半世紀。開始後10年は低空飛行が続いたが、積み立てていることさえ忘れた頃に高値を更新――。その過程から得た金の長期投資のヒントを共有しておきたい。

Buy and forget

投資は自分の心との闘いだ。専業投資家はさておき、一般人は毎日揺れ動く価格を追っていてはとても身が持たない。「損した」「得した」の起点になる元本は忘れてしまった方がいい。投資格言にもある「Buy and forget(買って忘れろ)」の精神だ。その点、金は好適な投資先だ。例えば日経平均株価連動型の投信などの場合、株価水準は嫌でも毎日耳に入る。そして心を乱される。金はごく最近を除けば静かなものだ。そもそも毎月の運用報告書からして単位がグラム表示だ。その量が今売ればいくらになるかは一手間かけて金の国内買い取り価格とかけ算しないと分からない。蓄財の王道は不便にあり、とはよく言われること。ファイナンシャルプランナーが新入社員にまず財形貯蓄の活用を勧めるのは一度始めると簡単に引き出せない手間をむしろ味方につけるためだ。

「おまけ」の効用

株にせよ金にせよ、キャピタルゲイン以外の目的があると価格そのものに過剰に注目しないで済む。株であれば配当や株主優待がそれに相当する。「このために保有しているんだからいいのだ」という自分なりの理屈があれば価格の上下にも耐性がつく。いわば「おまけ」の効用。金投資の場合は現物で引き出せる等価交換がそれに当たる。純金積み立てが一定量に達すると金のコインや延べ棒(バー)、装飾品などと交換して現物を手にすることができる。紙くずにならない実物の輝きを確認できる瞬間だ。25年の間に幾度「頑張った自分にご褒美」としてアクセサリーへの等価交換を利用したことか。

消費増税も「追い風」

ちなみに日本の場合、消費増税の影響も無視できない。金は買う時も売る時も消費税が加算される。昨年10月の増税前に8%の消費税を払って購入した金地金は今売ると、10%分の消費税が加算された売値が適用される。消費増税をまたぐだけで2%分手取りが増える計算だ。金投資家の間では知られた事実だが、あくまで価格が変わらなければという前提付き。短期のサヤ取り目的には勧められないが、今後長期的に消費税が上がり続けるという世界を想定するのであれば意味はある。

円高には注意

最後に為替相場にも言及しておきたい。金はドル建ての資産だ。それを円建ての国内金価格に換算する場合、当然ドル円相場の影響を受ける。つまり国際指標の金価格が上昇していても円高なら換算した円価格は低く、逆に円安時には換算額が膨らむことになる。例えば金価格が前回高値をつけた11年9月は1ドル=77円台の円高だったため円建ての国内価格は1980年の高値に及ばなかった。足元では長期的にみれば中間どころの1ドル=105円台にあることも相まって、円建ての国内価格(田中貴金属工業が公表する金地金の税込み価格)は27日に1グラム7230円と最高値を40年ぶりに更新した。

だが、金と円は同じ「安全資産」のカテゴリーに属するため、通常なら金が上がる時は円も上昇、国内価格の頭を抑えることが多かった。金価格に加え為替相場も影響する金投資は一筋縄ではいかない。そう理解した上で高値の熱狂と向き合いたい。

山本由里(やまもと・ゆり)

1993年日本経済新聞社入社。証券部、テレビ東京、日経ヴェリタスなど「お金周り」の担当が長い。2020年1月からマネー編集センターのマネー・エディター。「1円単位の節約から1兆円単位のマーケットまで」をキャッチフレーズに幅広くカバーする。

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