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Photographer: Andrey Rudakov/Bloomberg
Cojp

金・株価の上昇とドル安、米金融当局の政策受けた実質金利低下が背景

悲観的な見通しを示唆する金相場高の一方で、株式市場では投機的な銘柄が上昇して景気好転の楽観論がうかがわれ、米ドル相場は月間ベースで10年ぶりの低パフォーマンスを記録したばかりだ。

  現在の資産クラス全般で見た動きは混乱そのもので、統一テーマを欠くように見受けられる。しかし金利、特にインフレ調整後の実質金利に着目すれば、事情は違って見えるだろう。

  米消費者物価の上昇率が債券のリターンを上回ると見込まれていることから米ドルは下げており、その結果、貴金属相場や豪ドルが上昇し、株式市場で幅広い銘柄が押し上げられているのはほぼ間違いない。

  実質金利が焦点となっている理由の1つは、少なくとも1つの指標で見ると約マイナス1%と過去最低水準を付けたことだ。端的に言えば、米10年債保有によって投資家は購買力の低下に見舞われることを示す。債券利回りは、しばらくの間は利上げを手控えるとした米金融当局の公約によって抑制されている。

Trenchant drop in real U.S. yields seen as support for stocks

  マニュライフ・インベストメント・マネジメントのグローバル資産配分責任者、ネイサン・ソーフト氏は「従来は実質金利が人々の注意を引くことはそれほどなかったが、2018年後半に実質金利が上昇して株価急落の一因となった際に事態が変化した」とし、現状については「実質ベースの低金利は株式にとってとても良い追い風と考えられており、貴金属も全く同じであって、これら全てが相互に関係している」と語った。

Stocks still look appealing when compared to bond yields
Gold, `currency of last resort,' has soared amid Fed largesse

原題:Markets Can’t Stop Thinking About Fed Not Thinking About Hiking(抜粋)

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