2021年4月19日月曜日

 4月第3週も結局ドルが軟調でした。
これで4月からのドル安がずっと継続していることになります。

通貨インデックス一覧 赤線から4月


4月から米長期金利の低下が最も大きな要因かと思われます。
ちょうど4月から下がっていますね。

※米10年債利回り


ドル円相場は3月の110.96円から108.61円まで2円あまり下落。
日経新聞にこんな記事が。

ドル、実力より14円高 揺り戻しに市場動揺の火種
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUB153Q70V10C21A4000000/
「日経均衡為替レート」は94円とありますが、
為替市場がこれを意識していますかね・・・今回初めて知りました。
「各国の政府債務や経常収支の状況から算出した均衡レート」とのことですが
「為替は需給」とする大倉キャプテンの見解を聞きたいところです…。

そうそう、19日月曜に日本の貿易収支が発表されますが、
3月は5000億程度の黒字予想。黒字が増加する見込みですのでやや円高の材料。
Japan Balance of Trade
ただ、日本の貿易収支は昨今均衡しています。
3.11後の2013年は通年11・5兆円の赤字でしたので
毎月1兆円規模の赤字が出ていたために円安が進んだという指摘もありますが
今はそれほど大きく赤字になることはないので
円安の圧力は少ないのですが、
ワクチン購入の収支はここに入らないんでしょうか??

また、為替のニュースでは
先週米財務省が発表された為替報告書などがありますが
特に波乱を呼ぶ内容ではなかったようです。

米、「為替操作国」指定ゼロ 日中韓など11カ国を監視対象
https://jp.reuters.com/article/usa-currency-manipulation-idJPKBN2C3223
・スイスとベトナム、台湾が為替相場を操作した可能性があるが
 為替操作国認定は見送り(スイスとベトナムは為替操作国だったが外された)
・監視リスト
中国、日本、韓国、ドイツ、アイルランド、イタリア、インド、マレーシア、
シンガポール、タイ、メキシコの11カ国
(アイルランドとメキシコが追加された)

まあ、新型コロナという特殊事情もあったことが鑑みられたようです。

そしてなんと言っても注目のイベントは日米首脳会談。

日米首脳共同声明の全文
https://www.nikkei.com/article/DGXZQODE172H30X10C21A4000000/

「台湾海峡の平和と安定の重要性を強調する」
日米共同声明での52年ぶりの台湾問題に言及。
日米が歩調をあわせ中国と対峙していくことが確認されました。

米国が核を含むあらゆる手段で日本を防衛するのと同時に、
「日本は自らの防衛力を強化することを決意した」との文言も。

米国は、日本の防衛力強化を認めた、、、というより
もう米国は世界の警察ではないということですね。
中国の脅威から日本を守りきれない、自衛してくれ、ということです。

このことは日本の軍事産業の拡大を意味し、
これに関わる企業が注目されているということにつながると考えれますが、
その他、中国依存の脱却の流れの中では、中国とのビジネスの見直しを
問われる企業への影響を考えて行く必要もあるでしょう。

週明けからすぐにマーケットに影響が出る
というものでもないでしょうけれど、
中国が日本に対して抗議してくることが考えられますので
これがどう影響がでるのか。。。
詰まる所じわじわ明暗がつけられると思いますよ。
米国は次々に対中包囲網を敷いています。
首脳会談で日本も歩調をあわせるという姿勢が示されたのですから
企業にもこれに準じる対応が迫られると思います。

あ、あと、こんな報道もあります。
株式市場は日米首脳会談で米国からのさらなるワクチン供給が約束されれば
プラス要因になる、という期待も大きかったようですが
このニュースをもって月曜から株高になるかというと、それほどインパクトはないかな。

ワクチン、9月末までに全員分 ファイザーが追加供給=河野担当相
https://jp.reuters.com/article/vaccine-kono-idJPKBN2C504A?il=0

ただ、為替市場でのワクチン相場が続くだろうという思惑は強まるでしょうから
(ファイザーワクチン買い=ドル買い円売り)
ドル円相場はやっぱり上じゃないかと思うんですが・・・・。

これは2月の記事ですが再掲

「ワクチン調達」円安の思惑 年数千億円、貿易黒字圧縮
https://www.nikkei.com/article/DGXZQODF155OQ0V10C21A2000000/



期待していた国内機関投資家、生保の上期の運用計画、
やっぱりヘッジ付き述べ異彩投資が軸のようで
この点で見ると為替にはあんまりインパクトはないようですが・・・。

国内生保の運用計画、ヘッジ米債へシフトか-15年以来高利回りに妙味
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2021-04-15/QRLBWCDWLU6C01

私、金曜の午前中にチャートだけみて、
ドルショートポジションを全部手仕舞って
ドル円ロングに組み替えちゃったんですよね。

108.79円ドル円ショート ⇒ 108.83円買い戻し 
108.85円でロング(NY引け108.73円・・・アゲインスト)

ユーロドル1.1819ドルL⇒1.1954ドル 手仕舞い
1.1960ドルでショート。

ポンドドル1.3780ドルL⇒1.3756ドルで損切り。
その後猛なポンド高となって大後悔。。。
そのまま持ってれば利益になってた~(泣)

ポジション組み換えたのは単純にチャート形状から、という側面と
日米首脳会談後、ドルが強くなるんじゃないか、なんて思ったためですが
なりませんでしたね。。。。

ドル円に関してはまだ、下落余地もありそうですが
このまま米金利がどこまでも崩れていくとも思えず、
そろそろ下げ止まるんじゃないかと思っているのですが・・・。
ポンドが強いのはやはり4月高のアノマリー通りってこと?!
週末にポンドが猛烈に反騰した理由はいまいち明らかではありません。
もう一回ポンド、買い戻そうかな(´;ω;`)

◆それから先週、豪ドルとNZドルが急伸したことにも注目しておきたい。
先週、急激に原油や銅などの価格が上昇したことに反応したのか、、、。

左が原油 右が銅


あるいはNZと豪州が隔離期間なしで渡航できるトラベルバブルが
19日から始まることが好感されているのか?!

「トラベルバブル」が生む空運株プチバブル
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUB00024_X00C21A4000000/
トラベルバブルは(自分たちの泡の中で旅行してね)という意味で
あの弾けるバブルとは違うようですw

オセアニアは早期にロックダウンを開始し他国からのウイルス侵入を防ぐ
ことに成功していますが、日本は何故同じ島国でこれができなかったかな。

ともかく、このニュースが出てからニュージーランド航空、カンタス航空
など空運株が軒並み高となっています。

オセアニア通貨が買いだったか・・・
気がつくのが遅れたわ。今週以降も注目してみていこうと思います。

ポジションは
ドル円108.85円ロングと
ユーロドル1.1960ドルショートになりました。

あと、ちょっと気になるのがBitcoinの急落。
材料は3つほど考えられます。

①コインベース上場
暗号資産交換業者コインベース・グローバルが14日、米ナスダック市場に上場。
時価総額は一時1120億ドル(約12兆2000億円)を超える活況。
ところが、コインベースの株は、ご覧の通り。

注目度が高かったが故に上場直後に加熱気味に動いた分が
剥落しただけかと思いますが、
コインベースの上場というビックイベントがこれまでBitcoinなど暗号資産の価格を
押し上げる材料となってきていたこともあって、
コインベース上場での「噂で買って事実で売る」的な動きとなってしまった。7

②トルコが暗号資産の決済利用を禁止、ビットコインは下落
https://www.coindeskjapan.com/106082/
票田集めのために
インフレなのに低金利政策を中央銀行に迫るエルドアン大統領。
通貨リラの価値は下落の一途をたどっています。
というわけでトルコの人々のBitcoinブームが加熱しているんだそうです。
この決済利用の禁止の報道は少なからず影響があったかも?

③米財務省がデジタル資産を経由したマネーロンダリングに断固とした措置を取る可能性

ビットコイン、一時15%下落-日中ベースで2月以来の大幅安
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2021-04-18/QRQVTZT0AFB601

Bitcoinなど暗号資産価格がさらなる下落となれば
マーケット全体のセンチメントにも影響が出る可能性もあるか、と思いますが
どうも下ヒゲ作ってこのまま反発していきそうですね。
ということで、週明けのリスクにはならなそうです。
暗号通貨は値動きが激しすぎるわ・・・・。

◆来週の主な予定◆

【22日のECB理事会】
前回3月は…
◆金利変更予想なし
◆PEPP(パンデミック緊急購入プログラム)
  第2四半期の買い入れを拡大するという方針示す
⇒4月5日の週から買入額171億ユーロに拡大(それまで106億ユーロ)

PEPP買い入れ拡大によってインフレ見通しが強まるなら
第3四半期以降の買い入れ継続はリスク?
第3四半期以降の緩和スタンスについて表明があるかどうか。

ただ、感染者拡大でフランスやドイツのロックダウンが景気に及ぼす影響も懸念され
タカ派的なスタンスにはならないと考えられます。

【各国のPMI景況感指数】
23日金曜日 各国の4月PMI景況感指数が出てきます。

17:00                        前回  予想
ユーロ圏 4月サービス部門購買担当者景気指数(PMI)    49.6    49.9   
ユーロ圏 4月 製造業購買担当者景気指数(PMI)    62.5    62.2   
17:30   
英国 4月サービス部門購買担当者景気指数(PMI)    56.3    58.0   
英国 4月製造業購買担当者景気指数(PMI)    58.9    59.8   
22:45   
米国 4月総合購買担当者景気指数(PMI)    59.7    --   
米国 4月製造業購買担当者景気指数(PMI)    59.1    60.0   
米国 4月サービス部門購買担当者景気指数(PMI)    60.4    61.3

 PMI=製造業やサービス業の購買担当者へのアンケート。

特に製造業の購買担当者は、製品の需要動向や取引先の動向などを
見極めて仕入れを行うため、今後の景気動向を占う「先行指標」とされる。


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◆来週の予定◆

19日(月)
日本貿易収支(3月)

20日(火)
日銀金融システムリポート(4月)
米アップル製品発表会

21日(水)
英消費者物価指数(3月)
プーチン露大統領、演説

22日(木)
ECB政策金利、ラガルドECB総裁会見
米景気先行指数(3月)
米新規失業保険申請件数(17日終了週)

23日(金)
日本消費者物価指数(3月)
ドイツ製造業PMI速報値(4月)
ユーロ圏製造業PMI速報値(4月)
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