2022年1月24日月曜日

 1・テーパリング早期終了観測、今週1月FOMCで?
~米主要株価インデックス軒並み200SMA割れ
~米長期金利1.9%台へ上昇
2・REIT11日連続下落、地銀の売りか
3・バルチック海運指数、11ヶ月ぶり低水準へ低下
4・ニッケル急騰、ロシアリスクで?
 ~(EV,リチウムイオン電池使用)
5・円高、スイスフラン高の「リスクオフ」続くか 
-----------------------------------------------
1・今週は、米1月FOMCにわかに注目が高まっています。

3月のテーパリング完了、3月FOMC利上げ、程なくしてバランスシート縮小着手が
現在までのFOMC金融政策のコンセンサスとなっていますが
今回のFOMCでテーパリング完了をもっと早めることを決定するのではないか、
という観測が広がっているようです。
要するに資産買い入れはすぐにでも停止する、ということか?

ついこの間までインフレは一時的と言うスタンスだったFRBですが
君子豹変す、正常化どころか引き締めを急ぐスタンスを隠しません。
まだ市場の観測に過ぎませんが、3月FOMCが大注目とされていましたが
にわかに今週の1月FOMCにも注目が高まっています。

というとで米長期金利は1.9%まで上昇したのですが
週末にかけてはすべての年限の米国債利回りが低下しています。

※米国債利回り一覧

これは債券買いです。
ん~ここへきてリスクオフで株から債券に資金シフトか?
ここまで金利上昇が早かった分、
今週のFOMC前後では金利の急速な修正及びドル安方向に動く、
というシナリオも想定しておかねばならないかな。

FOMCが現状のコンセンサスよりもタカ派的となっても
金利は下がり、ドルが下がるという
整合性の取れない動きとなる可能性も否定できない、という話です。
今週は豪州やNZのCPI(消費者信頼感指数)の発表や
カナダの政策金利発表もあり、他通貨が強含む可能性もありますね。

米株がどう反応するかは難しい。
大局的には調整局面入りに見えますが、過度にFOMCへの警戒が強まっての
売りでしたので、FOMC通過で買い戻しが大きく入る週となりそうな予感。
あくまで「戻り」であって今週米株が反発するようなら、
その戻りを売りたいところでもありますが。
要は、この安値を追いかけて売るのは危険、という話です。

※米主要株価インデックス

しかしネットフリックスの急落、ひどいですね・・・
Netflix株急落 会員増、10〜12月820万人も予想届かず
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN20E0K0Q2A120C2000000/


2・そして気になるのが日本のREIT市場。

REIT、10カ月ぶり安値 10日連続下落
(この記事が出た次の日も下げて11日連続下落です)
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUB1968W0Z10C22A1000000/

REITって日本の地銀が大量保有してますよね。
投げに投げている様子。
米金利上昇で外債投資が傷んでいるのは想像に難くないのですが
外債も慌てて投げていることが円高の一因ではないか、という
推測が成り立つのと同時に、損失穴埋めなのか利食えるうちに、
ということなのかはわかりませんが、ともかく
他資産の手仕舞いにまで波及していると考えられます。
これが次にどのような事象につながるのかはまだわかりません。

3・それから、
  景気の先行指数とも呼ばれるバルチック海運指数の下落も気がかり。

郵船など海運株が軒並み安、バルチック指数の急落を嫌気
https://www.asahi.com/business/stock/kabuto/Ctkkabuto1817282.html
・21年2月16日以来およそ11カ月ぶりの低水準
 ~ピークから70%以上も下落
・中国が1月31日から2月6日まで春節(旧正月)の7連休

単純に中国の春節に絡む下落と言うには大きすぎます。
北京五輪前のゼロコロナ政策の徹底で、経済が停滞しているものと推測。
この指数が下がっている時にはリスクテイクはできませんね。

※VIX指数も30くらいまで上昇してきました。


4・ロシアリスクで上昇するコモディティ

プーチン大統領は、ウクライナ国境に十万以上の兵力を配置していますが
いよいよウクライナ侵攻が近いとのみかたが広がっています。

ロシア軍のウクライナ侵攻懸念受け 米国人退避に向けた動き
https://news.yahoo.co.jp/articles/7d0ae0b2d9db50a196e6320c61ff7e450282fc27
・在ウクライナ・アメリカ大使館が国務省に対し、
 一部の大使館員や大使館員の家族の国外退避を認めるよう要請
・ウクライナにいるアメリカ市民に対し
 民間機で国外退避するよう来週呼びかけを行う見通し

ただ、ドイツは揺れているようですね。
ドイツ海軍司令官シェーンバッハ中将が
「ロシアがウクライナに侵攻するなど馬鹿げた発想だ。
 プーチンは西側から対等に扱われたいだけだ」と発言し辞任に追い込まれています。
また、NATOがウクライナへの武器供与支援を行っていますが
エストニアがドイツ国内のNATO軍武器をウクライナに輸送しようとしたところ
ドイツがこれを阻止。ドイツが兵器供与を差止めていることで、
イギリスはドイツを迂回して武器を運んでいるとかなんとか、
ドイツはロシアへの態度が決まりません。

これは脱原発でロシアにエネルギー依存してしまっているためなのか?

ドイツ政府は紛争地域には武器を提供しないという規定を遵守しているだけだ、
という指摘もありますが
ウクライナ、クレバ外相は
「ドイツが武器の引き渡しを躊躇したことを、
ウクライナ人はこの先何十年も忘れないだろう」と厳しく避難しています。

メルケル政権からショルツ政権に変わったドイツの行く先が懸念されます。

ドイツのことはひとまずおいといて、
ウクライナ侵攻が現実味を帯びる中、ニッケル、パラジウムなどが急騰中。

リチウムイオン電池に使う「ニッケル」、10年半ぶり高値圏の背景
https://newswitch.jp/p/30534
・軍事衝突が起きればロシアの資源会社に経済制裁が行われる可能性
・ロシア、ニッケル生産量世界3位
 ~世界のニッケル鉱石生産の約1割を占める
 

また、ロシアは欧州に天然ガスを供給していますので
事によっては欧州のエネルギー危機がさらに深刻となる可能性がありますね。
紛争もインフレの一因となりますので
ますます世界の金利上昇を誘う可能性があります。

先週のGOLD上昇などは、地政学リスクを織り込む形での
ETF市場への資金流入が見られたようです。

小菅努氏@kosuge_tsutomu Tweet
https://twitter.com/kosuge_tsutomu/status/1484686648365711360

5・為替市場は円高、スイスフラン高、典型的なリスクオフです。

※通貨インデックス一覧

まあ、株式市場の下落を見れば
リスクオフで円高と言う動きは読みやすかったわけですが
今週もこの流れが継続するか?

なんてったって注目度が急上昇しているFOMCがあります。
その直前までドル高となりタカ派的な展開を織り込むようなら
FOMC後に材料出尽くしor失望と安心感のドル売りの展開もあるかも。

下記に今週の予定のところで注目ポイントを赤字に示しています。

ポジションとしては、ドル円とクロス円ショートを継続中。
戻りを試す1週間となるかもしれませんが、
利を伸ばす方向でも中期保有しようかと思います。
キウイ円77.82円S 77.90円S
ドル円114.84円S
ポンド円156.20円S 継続
■今週の予定
■1/24(月)
・独:1月製造業/サービス業PMI(17:30)
・ユーロ圏:1月製造業/サービス業PMI(18:00)
・米国:1月製造業/サービス業PMI(23:45)

■25(火)
・豪州10-12月期CPI(9:30)
 RBAターゲット中央値の2.5%に近づくなら利上げ観測が高まる可能性
 Q3は+2.1%、今回予想は+2.3%
・独 1月 Ifo 景況感指数(18:00)
・米 1月 CB 消費者信頼感指数(26日 0:00)/米 5 年国
・FOMC(〜26日)
・IMF 世界経済見通し発表

■26(水)
・カナダ銀行 政策金利
 一部に利上げ観測も。利上げならややサプライズでカナダ高?
・FOMC~パウエル FRB 議長会見
・米 12月新築住宅販売件数(27:00)

■27(木)
・NZ10-12月期CPI 
 Q3は+4.9% 予想+5.8% さらなる利上げ観測が強まることで
 NZドル買いとなるかどうか・・・

・南ア準備銀行金融政策決定会合
 0.25%の利上げが予想されている
 
・米 10-12月期 GDP 速報(22:30)
・米 12月耐久財受注(22:30)
・米 12月中古住宅販売仮契約(28日 0:00)

■28(金)
・独 10-12月期 GDP 速報
・12月 個人消費支出(PCEデフレーター)(22:30)

■30(日)
・中国 1月製造業 PMI
・中国 1月非製造業 PMI(10:00)
・中国 1月 Caixin 製造業 PMI(10:45)

日中のつぶやきはこちらで
ひろこのTwitter


いつもご覧いただきありがとうございます。
人気ブログランキングへ










※本レポートにて豊トラスティ証券株式会社が提供する投資情報は、あくまで情報提供を目的としたものです。したがって銘柄の選択、売買価格などの投資にかかる最終決定は、弊社の重要事項説明を十分にお読みいただき投資家ご自身の判断でなさるようにお願いします。

※また、本ブログ内にて提供される情報は豊トラスティ証券株式会社が信頼できると判断した情報源をもとに弊社が作成したものですが、その内容および情報の正確性、完全性または適時性について、豊トラスティ証券は保証せず、また、いかなる責任を持つものではありません。

※ブログ内容についてその表現や記述、データその他に関しましては、著作権法などの法令により保護されており、個人の方の私的使用目的以外での使用や他人への譲渡、販売コピーは認められていません(法律による例外規定は除きます。)。

以上の点をご了承の上、本ブログをご利用下さい。

運営:豊トラスティ証券株式会社