2022年8月18日木曜日

 1・NZ,0.5%利上げでもNZドル下落
2・世界の長期金利、上昇基調へ、
3・FOMC議事録公表控え、米株利食い売り優勢

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 1・NZ,0.5%利上げでもNZドル下落


・RBNZの(NZ中銀)4会合連続で50bp利上げ 3.0%に
 ~21年10月以降、7回連続で利上げ実施
・政策金利(OCR)のピーク予想を3.95%から4.1%に引き上げ
 ~23年第1四半期までに政策金利は4.1%になる想定
・インフレ率が中銀目標レンジ(1%~3%)の範囲内に
   低下するまで金融引き締めを継続
 ~現在のCPI前年同月比7.3%(32年来の水準)
・オア総裁
「75bpの大幅利上げについては検討しなかった」
~今後インフレ加速でも0.5%以上の大幅な利上げはないと市場は判断したか?
・金融報告書
「現在3.3%の失業率は、来年末までに4.5%に上昇、
 2025年には5%に達すると予測。」

利上げ幅は予想通りでしたが、
政策金利引き上げのターゲットが4.1%に引き上げられ
インフレ目標(1~3%)、までは引き締めを継続するとアナウンス。
概ねタカ派的な内容でした。

会合直後はNZは急伸、買いで反応しましたが案の定落ちてきました。
噴き上がったら売り狙いとしていましたが
0.6375ドルで売り参戦しています。

なぜタカ派的スタンス継続のNZドルを売るのか?!

NZの景気が利上げに耐えられるほど強くないと考えているからです。
米国はなんだかんだ景気は悪くないですがNZはどうでしょうか。
米国に先んじて利上げを開始して米国に負けないように利上げを続けていますが
それは米国に劣る利上げペースだとNZドルが売られて通貨安となり
インフレが加速してしまうためにやむを得ないということでもあります。

そもそもNZドルの季節性で夏は弱い通貨。
8月は5勝15敗と圧倒的に陰線確率が上昇します。

NZは観光立国でもあるため、夏場に観光客が増加する反面、
冬場には観光客流入が減少するということも影響しているものと考えられますが
NZの主要輸出品である乳製品のもととなる生乳のサイクルには季節性があり
NZ(南半球)の真冬に当たる6月~7月にはほぼ生乳生産がゼロに落ち込みために
夏場に貿易収支の赤字が拡大する傾向があるためです。
まさに足元では貿易収支赤字が拡大するフェーズにあり通貨安基調が強まる時期。
金融政策より実需玉の影響が色濃く反映されるだろう、ということで
利上げで上がる局面を狙っていました。
冬には黒字化するのでその前には売りは手仕舞います。
 
※貿易収支 きれいに季節性が出る ジグザグジクザグ・・・


2・世界の長期金利、上昇基調へ

今日は世界の長期金利が軒並み上がっています。
今日利上げしたNZの金利はそれほど上がっていませんね💦

※主要国10年債利回り一覧
英国は今日発表された7月CPIが2桁大台に乗せたことで
英国の金利上昇も激しい。
インフレ10%ですよ、10%。

英国 7月 消費者物価指数 前年比 10.1%(予想 9.9% 前回 9.4%)
欧州の金利も上昇していますが、
世界の金利が上昇する局面って、ドル金利も上昇しているわけで
こういうときってドル高になりやすいんですよね。
なんだかんだ米国の景気に適う国がない。
つまり米国が最終的には最も金利が上がると考えられるためです。たぶん。

英国などはこれだけ凄まじいインフレでもあまり利上げできない可能性が。
というのも、8月に発表された金融政策報告書では
エネルギー価格の上昇で家計所得に下押し圧力がかかることなどから、
四半期ベースで 2022 年10-12 月期から 2024 年 4-6 月期まで
マイナス成長が続くと予想されています。
2023 年は▲1.50%、2024 年は同▲0.25%で2 年連続でマイナス成長見込み。

こんな中で米国を超える利上げなどできないでしょう、、、ということね。

というわけで世界の主要国金利上昇でも
通貨インデックス一覧を眺めるとドル独歩高です。

※通貨インデックス一覧

 
3・今夜7月FOMC議事録議事録公表


これを控えて今夜の米国株は利食い売り優勢。

※米国株主要インデックス一覧 
ダウ、ダウ輸送株、S&P500、ラッセル2000などは200SMAは意識されているか。

足元ではインフレのピークアウト期待からFRBがハト派化するとの思惑が
米国株上昇を誘っていますが、7月FOMCの議事録でメンバーらが
タカ派的だった、なんて実態が出てくると楽観ムードが覚める可能性も。

あと10分で発表ですが、それを待ってられません。。。。
ちなみに今夜発表された米7月小売売上高は以下の通り。

7月の米小売売上高 前月比 0.0%(予想 0.1% 前回 1.0%)

自動車関連-1.6%、
ガソリンスタンド-1.8%、
衣料品-0.6%などが前回のプラスからマイナスに転じた。

家具+0.2%、
電気製品+0.4%、
建設資材+1.5%などは前回のマイナスからプラスへと回復。

食品・飲料は+0.2%と前回の+0.9%からプラス幅を削った。

現在のところ金利先物市場は、9月のFOMCでの0.5%利上げ織り込みは47.5%
0.75%織り込みは52.5%で、0.75%になるとの予想が増えています。

ということでドル円相場は今日135.50円近辺まで上昇。
ドル円は再び140円を目指すトレンドに回帰したように見えます。
議事録でどう動くか・・・

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