2022年10月3日月曜日

 1・クレディ・スイスCDS急上昇
2・止まらぬ米株下落、PCEとブレイナード
3・ガスプロムがイタリア向けガス供給停止
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 1・クレディ・スイスCDS急上昇

この週末、ツイッターではクレディ・スイス破綻のリスクが高まっている!
という話題で賑わっています。

クレディ・スイス株価はご覧の通り。

そしてCDSが上昇、リーマン・ショック時のレベルに。
※CDSとは「破綻リスクを対象とした金融派生商品」で
簡単に説明すると、破綻リスクに備えた保険料のようなもの。
よってこれが急騰するということは破綻リスクが高まっているということ。

クレディ・スイスの破綻リスクはドイツ銀行と同じようなもので
年中行事だという指摘や、大きすぎて潰せないため
破綻はないという指摘もありますが、
何事にも絶対はないので、週明けからのニュースには注意しておきます。

1週間ほど前にこんなニュースがあったんですね。

クレディ・スイス、投資銀行部門の3分割を検討-FT
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2022-09-22/RILGDZT1UM0Y01
アドバイザリー事業と「バッドバンク」、その他の事業に分割か
10月27日の第3四半期決算発表時に戦略を公表する予定

そして2日前にはクレディ・スイスCEOが「重大な局面にある」と発言。

Credit Suisse Is at ‘Critical Moment’ as Bank Prepares for Latest Overhaul, CEO Says
https://www.bnnbloomberg.ca/credit-suisse-is-at-critical-moment-as-bank-prepares-for-latest-overhaul-ceo-says-1.1826390
クレディ・スイス・グループAGのウルリッヒ・ケルナー最高経営責任者(CEO)は、同行の強みを強調しながらも、最新のオーバーホールに備えて「重大な局面」にあると述べた。

信用不安から資金調達が困難になることが破綻のトリガーとなりますので
こうした市場の懸念が、本格的なクレジットリスクに波及しないかどうか、
また、仮にそのようなことになった場合の影響の大きさを鑑みて
公的な救済策が出てくるかどうかなどに注目でしょうか。

この話題がどの程度金融市場全体のセンチメントに
影響するかわかりませんが、
この件がなくても先週末にかけて
米株は一段安の様相を呈しており、
週明けの日本株市場も下げる可能性は大きいかな・・・?

米国主要株価インデックス
S&P500種は月間で20年3月以来の大幅安
 ~四半期ベースでは3期続落、2009年以来最長の連続安

米株安トレンドに燃料投下となったニュースが
インフレ指標の加速とFRBブレイナード氏の発言。

米インフレ指標のPCE価格指数、予想上回る伸び-消費支出増加
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2022-09-30/RJ0W5QT1UM0W01
8月PCE総合価格指数は前月比0.3%上昇、前年同月比6.2%上昇

PCEデフレータ(8月)前年比 6.2%(予想 6.0% 前回 6.3%)

PCEコアデフレータ  前月比 0.6%(予想 0.4% 前回 0.1%)
PCEコアデフレータ  前年比 4.9%(予想 4.8% 前回 4.7%)
・8月個人所得:前月比+0.3%(予想:+0.3%、7月:+0.3%←+0.2%)
・8月個人消費支出(PCE):前月比+0.4%(予想:+0.2%、7月:-0.2%←+0.1%)

ブレイナード副議長、時期尚早な巻き戻し回避にFRBはコミット
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2022-09-30/RJ0XO8T1UM0X01
・「しばらくの間は景気抑制的」な政策維持する必要-ブレイナード氏
・借り入れコスト上昇が世界的な金融安定に与えるリスクを警戒する必要性があるが、
 インフレを抑制するため米政策金利をしばらく高く維持する必要がある。
 
利上げの着地点が9月FOMC時点のターミナルレート4.6%で済むのか。
インフレの数字次第では12月FOMCでもさらなるタカ派修正があるかも、、、
という懸念が拭いきれないように見えますが
今週から10月相場。いよいよ今年残すところ3ヶ月となりましたので
風向きがそろそろ変わってくれてもいいような気もしますが。。。

10月は中国共産党大会、
11月は米中間選挙。
中間選挙後は2年後の大統領選挙に向けて様々な政策が打ち出される
傾向が強まることから株価が上昇しやすいという経験則がありますが
今回事前にこれだけ下げているので好材料が出れば反発も
大きくなりそうですけれどどうでしょうか。

しかし、まだまだリスク要因はあちらこちらに。
この週末はこんなニュースも。

ガスプロムがイタリア向けガス供給停止-欧州エネルギー危機悪化
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2022-10-02/RJ3HHCDWLU6801

これで再びイタリア国債利回りが上昇するようなことがあれば
欧州金利全般に上昇圧力がかかりるだけでなく
世界の金利上昇へと波及しかねません。
そうなれば株はさらなる下落へ・・・・?!

ドル上昇が加速する相場が続きそうです。

しかし先週はユーロやポンドなどの反発が大きかったですね。
※ドルストレート通貨日足
オセアニア通貨、カナダなどは弱かったので欧州通貨だけ。
月末、四半期末なのでリバランス、レパトリ玉の影響がでるかも、
と警戒はしていましたが、ここまで大きく反発するとは。

しかし、それも10月入りでもとのトレンドに回帰すると見ています。
週末、ユーロドルを0.9792ドルで売り参戦しています。
今週はユーロ、ポンドの戻り売りスタンス。

英住宅市場崩壊も、ローン取り扱い中止や金利上げ相次ぐ-金融動揺で
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2022-09-28/RIW38VDWX2PS01
住宅価格は「たやすく10-15%下落もあり得る」とクレディ・スイス
借り換えが来年必要になる180万人の住宅ローンの金利負担も急増へ

トラス首相は辞任すべきだ、英国民の過半数が望む-ユーガブ世論調査
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2022-09-30/RJ14RLT0G1KW01
トラス英首相、経済対策を擁護 「適切な計画」
https://jp.reuters.com/article/britain-economy-truss-idJPKBN2QU0OK


NOTE
OPECプラス、日量100万バレル超の減産を検討へ-参加国代表
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2022-10-02/RJ47UKDWLU6801
日量100万バレルもの減産の可能性が報じられているのに
原油価格はあまり反応していませんね。
100万で織り込んでもこの水準なら
減産幅が100万バレルに満たなかった場合は更に下がるリスクか。

来週の主な予定 

3日(月)
岸田首相、所信表明演説
日銀主な意見(9月21日-22日開催分)
日銀短観(第3四半期)
米自動車販売(9月)
米ISM製造業景気指数(9月)
クワーテング英財務相、保守党大会で演説
NY連銀総裁、講演
アトランタ連銀総裁、講演
ユーロ圏財務相会合
中国市場は国慶節で休場(10日に取引を再開)

4日(火)
東京都消費者物価指数(9月)
豪中銀政策金利
米求人件数(8月)
ジェファーソンFRB理事、講演
NY連銀総裁、講演
ダラス連銀総裁、講演
クリーブランド連銀総裁、講演
サンフランシスコ連銀総裁、講演
EU財務相理事会

5日(水)
日銀需給ギャップ潜在成長率
NZ中銀政策金利
ドイツ15年債入札
米ADP雇用者数(9月)
米ISM非製造業景気指数(9月)
トラス英首相、保守党大会で演説
アトランタ連銀総裁、講演
OPECプラス閣僚級会合

6日(木)
日銀支店長会議
日銀地域経済報告(10月)
ECB議事録(9月8日開催分)
クックFRB理事、講演
ウォラーFRB理事、講演
NY連銀総裁、講演
シカゴ連銀総裁、講演
クリーブランド連銀総裁、講演

7日(金)
日本景気動向指数(8月)
豪中銀金融安定報告
米雇用統計(9月)
NY連銀総裁、講演
EU首脳非公式会議

8日(土)
中国財新サービス業PMI(9月)

9日(日)
中国共産党第19期中央委員会第7回全体会議(7中全会)

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