【2月17日 AFP】南アフリカ・ヨハネスブルク(Johannesburg)郊外にある廃坑となっていた金鉱に前週、200人を超えるとみられる違法採掘者が閉じ込められ救助活動が進められたが、16日までに救出されたのは11人のみで、多くが逮捕を恐れて坑内にとどまっているという。

 現地警察によると、現場はヨハネスブルクの東方ベノニ(Benoni)地区にある閉鎖された金鉱。坑内全体に何人残っているかは不明だが、浅い位置に閉じ込められていた約30人は救急隊に対し、さらに深い地下に200人がいると語っている。しかし確認はされておらず、現地自治体は閉じ込められたのは約30人だけと発表している。

 16日に無事救出された11人は、そのまま警察に引き渡された。救助関係者によれば、坑内に残っている他の採掘者も現在、脱出は可能な状態だが、警察がいる限り、出て来ることを拒否しており、同日の救助活動は2時間で打ち切られた。

 救急隊では、残っている人々のもとへ隊員を派遣するつもりはないという。ある救急隊員は「出て来る勇気がない者のために、われわれは少なくとも岩石は除去し、自由に通れる道筋は作った。いつ出て来るかは彼ら次第だ」と述べた。 

 自治体当局は、採掘者たちが前週15日に、違法に掘られた立て杭を使って金鉱に入ったとしているが、警察では、採掘者のうち数人は最大で12日前から地下にいるとみている。多くは鉱山の地理に詳しい元鉱山労働者で、地下を数キロ徒歩で移動することができ、おそらく別の出口から脱出することができるだろうという。

 廃坑となった金鉱に忍び込む違法採掘者は、金の産出量で世界第6位の南アフリカを長年悩ませている。「ザマザマ」と呼ばれる採掘者たちは時に数か月間を地下で過ごし、金を盗掘している。

 一方で鉱山全般の事故も南アフリカでは頻繁に起きている。今回は巨大な岩が落下して立て坑への出口をふさいだために閉じ込められたという。救急隊が掘削機械を使ってルートを作り、それを上って脱出した。閉じ込められた人が助けを求める声に通行人が気付き、パトロール中の警官が発見した。(c)AFP/Susan NJANJI