[ 2014年5月22日7時33分

 紙面から ]黄色のジャケット、ネクタイ、スカーフ、腕時計などでコーディネートし帰国した本田

 日本代表のエースMF本田圭佑(27=ACミラン)が“大トリ”で帰国した。21日昼すぎ、羽田空港着の航空機でW杯メンバーの海外組では最後に到着した。目標にするW杯優勝を意識してか、金髪に映える黄色のジャケットに、黄色のネクタイ、サングラス上部にも金色をあしらった「黄金」のいでたちだった。明日23日から、プロとしての原点である鹿児島で行われている代表合宿に合流する。

 「黄金」の装いで、エースが最後に帰ってきた。昼すぎの羽田空港。到着口に本田が姿を現すと、居合わせた大勢のサポーターから黄色い声援が飛んだ。集まった報道陣は100人超。ゆっくりとした足取りで空港ロビーを歩いてゆく。ファンとTVカメラが一斉に追いかけると「危ない!

 走らないで!」「前を空けて!」という警備員の怒号が飛んだ。羽田は一時、パニックになった。

 W杯優勝を意識したのか。いつもの金髪に、黄色のダブルのジャケットを合わせた。ネクタイも、左胸にのぞかせたハンカチーフまで黄色。サングラス上部には金をあしらった“黄金色”だ。ファンのサインには応じたものの、報道陣の問いかけに口を開くことはなかった。目前に迫ったW杯への決意は、言葉ではなく、その服装に込めた。

 プロとしての原点の地で、決戦に向けた総仕上げをする。明日23日に合流する日本代表の合宿地・鹿児島県指宿市は、星稜高2年だった04年2月に、在学中でも選手登録できる特別指定として名古屋のキャンプに参加した思い出の場所だ。くしくもJリーグデビュー戦まで、高3になった同年7月24日に鹿児島(鴨池)で行われたナビスコ杯磐田戦。10年の歳月を経て、プロとしての第1歩を刻んだ鹿児島の地から、世界一へ歩み出すことになる。

 「たとえばオレがケガをしてプレーできなくても、前十字(靱帯=じんたい)切ってもワールドカップに帯同して優勝させるというイメージまで持っている」

 これまで、本紙の独占取材に悲壮な覚悟を語っている。決勝トーナメント初戦で夢破れた10年W杯から4年-。再び訪れる雪辱の舞台で、世界を驚かせる心の準備は、できている。【益子浩一】