阪神は金本知憲監督(47)の新体制で注目度が日増しに高まる中、営業側もチームスローガン同様「超変革」を遂げようとしている。
球団創設80周年だった昨季は、“レジェンズ”がキーワード。往年のスターたちにスポットを当ててイベントやグッズ販売を展開。営業担当者は「幅広い世代から大きな反響を頂きました。グッズ売り上げも大幅な黒字でした」とえびす顔だ。
今年は“周年事業”がないため、グッズ製作を行う各社が球団に商品を提案する件数が減少する可能性があった。だが金本監督に加え掛布2軍監督も登場し「今のところ両監督の人気のおかげで、いい形で件数をキープできそう」(同)。中でも商戦略の軸に置こうと模索しているのが、“高級グッズ”だという。
イメージしているのは、2014年に話題になった、某大手コンビニと人気アニメ「新世紀エヴァンゲリオン」がコラボした“エヴァ車”。このときは1台限定で価格が1600万円したにも関わらず、購入希望が588件に達するなど大きな話題になった。それだけに「選手からデザインを募って、あれくらいの印象的な車を製作、販売したい」と意気込む。
もう1つは「純金アニキ像」。これは1999年に販売した、当時の野村克也監督をモチーフにした「純金製ノムさん像」がベースだ。こちらも価格が100万円と高額だったが購入者が殺到したほど。「当時よりも景気が悪いため、売れるか心配な面があるが、話題性は十分だ」とみている。
また、レジェンズグッズに関しても「昨年に制作したことで、本人と版権についてやり取りできるルートが確保できた。今年はスムーズに実現が可能になった」と継続する構えだ。
“超変革”して強気で展開する営業戦略の命運は、金本阪神の成績に尽きる。 (山戸英州)