アーセニオシデライト＼金色の花畑広がる

　宝の石には小さなものも多く、観察にルーペは必需品。採集地では首からぶら下げて、「おやっ」と思ったらまずルーペで見る。家に帰っても油断してはいけない。いろいろな角度から飽かず眺めていたら、新しい発見もある。

　アーセニオシデライトは、砒灰（ひかい）鉄鉱という名前の通り砒素や鉄が関係する宝の石で、大分県と奈良県に有名産地がある。どちらのものも細かい結晶が金色の花畑のように集まった姿が美しく、おめでたい風景ではなかろうか。これはルーペあってこそ楽しめる自然の芸術作品。（藤浦淳）