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倉敷の県道沿いに「金色の少年」像 造形作家・川埜龍三さんの新作

「幸運児」と川埜龍三さん

「幸運児」と川埜龍三さん

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 岡山県在住の造形作家・川埜龍三さんの手掛けた「幸運児(こううんじ)」像が3月8日、倉敷の建設会社「キッカワ」(倉敷市林)のオフィス前に設置された。交通量の多い県道21号岡山児島線に面していることから、道を行き交う人たちの目を引いている。

正面から見た「幸運児」

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 川埜さんは近年、特定の地域が持つ歴史を掘り起こし、その土地に眠る伝説を可視化する作品を多く手掛けている。瀬戸内海に浮かぶ犬島では、人間の家を犬小屋に見立てて制作した巨大な犬の立体像「犬島の島犬」を、「さいたまトリエンナーレ2016」では、埼玉に点在する古墳の歴史から空想を膨らませた作品「犀(サイ)の角がもう少し長ければ歴史は変わっていただろう」を展示した。

 「幸運児」は、タンクトップに半ズボン姿で胸を張って立つ少年像で、身長は2メートル18センチ。半ズボンの右ポケットから「あたり」と書かれたアイスキャンディーの棒がはみ出している。本体の素材は繊維強化プラスチックで、表面はアルミ蒸着加工で金色に仕上げた。川埜さんと親交のあった同社から「自由な発想で作品を作ってほしい」と依頼を受け、約1年3カ月の製作期間を経て完成させた。

 「アイスで当たりが出た時の喜び、幸運の一瞬が永遠に続く姿を表現した。何かを達成した時ではなく、達成する直前の最もエネルギーが高い状態が、透明感のある金色に表れている」と川埜さん。

 「腰に両拳を当てて胸を張っている姿が大好き。先のことを考えて心配するよりも、『今が最高』という一瞬一瞬の喜びを積み重ねていくことが明るい未来につながる。この像を見た人が少しでも前向きな気持ちになれば」とも。

 吉川青良社長は「自由に作っていただいたにも関わらず、創業した父が掲げていた当社のスローガン『なせば成る』と重なるポジティブな作品ができてうれしい。私たちも一瞬一瞬の喜びを大切にし、感謝の心を忘れずに成長していきたい」と話す。

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