キトラ古墳天井壁画が日本天文遺産に 金箔と朱線で星座
日本天文学会は7日、奈良県明日香村のキトラ古墳(特別史跡、7世紀末~8世紀初め)の天井壁画を「日本天文遺産」に認定したと発表した。現存する世界最古の星図とされる天文図が描かれ、「天文学史上きわめて重要」と評価された。
キトラ古墳の壁画は天井壁画のほか、中国古代思想の方角の守護神「四神(しじん)」が描かれ、国宝になっている。このうち今回認定された天井壁画の天文図は、石室の天井石に塗られた漆喰(しっくい)に描かれている。
天文図には、中心を同じくした三つの円と、北西にずれた円の計四つの円が描かれている。円の中に350個以上の金箔(きんぱく)を貼り付け、その金箔を朱線でつなぎ、70個以上の星座を表現している。こうした星座は西洋の星座ではなく、中国で考え出されたという。
日本天文遺産は、日本天文学会が昨年に第1回認定分を発表し、今回が2回目。歴史的に貴重な天文学・暦学関連の史跡・建造物、物品、文献を対象にしている。天井壁画を選んだ理由は「古代における天文学の水準のみならず、アジア大陸から日本への科学知識や文化の流入を知ることができる本格的な星図」などとしている。
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