2021年 第74回カンヌ国際映画祭 カンヌの大階段に登場した、黄金の肺を持つ女。

Culture 2021.07.13

パンデミックによる中止、そして度重なる延期を経て7月6日にフランスで開幕したカンヌ国際映画祭。フランス「Madame Figaro」が現地の様子をレポートします。

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レッドカーペット6日目。

大胆なアクセサリーがひときわ人目を引いたベラ・ハディッド、2度目のパルムドールに期待がかかるイタリア人監督ナンニ・モレッティ...。7月11日、第74回カンヌ国際映画祭6日目の顔ぶれ。

【写真】セクシーでゴージャスな6日目のカンヌ。

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肺をかたどった金のネックレスを身につけてカンヌ映画祭の大階段に登場したモデルのベラ・ハディッド。スキャパレリのデザインによるルック。(カンヌ、2021年7月11日) photo : Getty Images

派手な登場をさせたら彼女の右に出るものはいない。モデルのベラ・ハディッドが第74回カンヌ国際映画祭のレッドカーペットに帰ってきた。今回はネックラインが胸の下まで開いた黒のロングスリーブドレスで登場。胸元にはインナーではなく、肺をかたどったゴールドの巨大なネックレスが輝く。このルックは、スキャパレリのデザインだ。

モレッティ、俳優泣かせの型破りな監督

カンヌ6日目の大階段に登場したのは、新作『Tre Piani』をひっさげた、イタリア人監督ナンニ・モレッティ。1978年の初出品以来、カンヌ映画祭ではおなじみの監督だ。

20年前に公開された作品『息子の部屋』でパルムドールを受賞。映画祭常連の貫禄がみなぎる監督は、大階段の最上段に上がると、映画祭執行委員長のティエリー・フレモーと同会長のピエール・レスキュールと拳を付き合わせ、フィスト・バンプで挨拶を交わした。

映画祭常連とはいえ、監督は毎回違う気分でカンヌを訪れるという。今回は特に、だ。「今回は感慨もひとしおです。まず、歳を取って、気弱になってきたから。それから、イタリアで作品を公開する前に、カンヌでワールドプレミア上映を行うのが今回が初めてだからです」。大階段を上る前に監督はそう語っていた。

素晴らしい人、しかし要求の厳しい人でもある。映画に出演した俳優たちのコメントから、そんな監督像が浮かび上がる。「ナンニとなら、何でもできる。どんなに難しいことでも」と女優のアルバ・ロルヴァケルは言う。「ナンニの後と前では、同じではいられない。彼と仕事をすることができて光栄でした」

俳優のリッカルド・スカマルチョは「モレッティ監督と仕事をするのは地獄」と冗談を言ってから、こう語った。「何度となくシーンの撮り直しをする。監督の映画作りや撮影の手法は独特。俳優にとって、とても興味深い経験ですが、非常に疲れることでもある。とても辛い現場です」

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NTM、気候、スパイク・リー...

前日に上映が行われた、ラップグループNTMの伝記映画『Suprêmes』制作チームのオードレー・エストルーゴ監督と、メインキャストを演じたサンドール・ファンテックとテオ・クリスティーヌのふたりの俳優もカンヌの大階段を上って行った。

アメリカ人監督スパイク・リーも夫人とともに『Tre Piani』を鑑賞に訪れた。女優のアンヌ・パリヨーもモレッティ監督の新作上映会に出席できて「とても嬉しい」と語る。今年4月に小説『Les Abusés』を上梓したばかりの彼女は、小説の映画化の意志を伝え、ここカンヌに「いつか来るかもしれない」と話した。

新作『Animal』が新設の「映画と気候」部門で上映されるシリル・ディオン監督も大階段を上って行く。環境問題をテーマにした作品を対象とするカテゴリーがカンヌに新たに設けられたことについて、監督は「気候温暖化との闘いにおいて映画が果たす役割があるというメッセージを発するひとつの手段だ」と語った。

『Les amours d’Anaïs』で主役を演じたアナイス・ドゥムスティエは、「敬愛する監督のひとり」というモレッティ監督の新作を鑑賞する喜びを伝えた。

text : Camille Lamblaut (madame.lefigaro.fr)

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