金箔、漆塗り……名古屋仏壇の職人技を日用品に 老舗販売店の挑戦

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皆木香渚子
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 彫刻や金箔(きんぱく)を施した華やかな装飾の名古屋仏壇。職人の技術を新たな形で生かしたいと、老舗販売店「大黒屋仏壇店」(名古屋市中区)が新商品の開発にいそしんでいる。たどりついたのが、ワインのボトルや日本酒の瓶のふたになる「ボトルストッパー」だった。

 光沢のある黒い短い棒に、金箔(きんぱく)がちりばめられている。金具の飾りがついたものもある。大黒屋仏壇店のボトルストッパーは、「名古屋仏壇の装飾を現代風にアレンジ」したのが特徴だ。

 仏壇と同じヒノキ製で、合板ではない「無垢(むく)材」を使用。持ち手は角張った八角柱だ。名古屋市の市章に使われている数字で、縁起が良いとされる「八」にちなんだという。

 製品名は、刀の持ち手を示す「柄(つか)」。ボトルやびんの口からストッパーを外す動きを、刀を抜く所作に見立てた。装飾は11種類あり、それぞれS、M、Lの3サイズを用意している。

 名古屋仏壇は国が指定する伝統工芸品。仏壇の骨格をつくる「木地」、漆をつける「塗り」、金箔を貼る「箔(はく)置き」といった11の工程がある。大黒屋仏壇店によると、江戸時代に、徳川家康が尾張の中心街を清洲から名古屋に移した「清洲越し」が終わり、仕事にあぶれた宮大工がつくり始めたとされる。金具で飾られた内装で知られる真宗大谷派名古屋別院(東別院、名古屋市中区)を模したという説が有力だ。

 近年は生産量が落ち込んでい…

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