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東海地方で、金を含む貴金属の取引が活発になっている。ロシアのウクライナ侵攻や世界的なインフレ傾向で、安全資産として金が買われている。金を好む東海地方の地域性も取引を後押ししている。(中島幸平、藤井竜太郎)
新規3倍
高級品買い取り店「KOMEHYO名古屋本店」(名古屋市)の本館7階にある買取センターの入り口には「金高騰中」の看板が掲げられている。
金・銀・プラチナなどの貴金属が使われている高価格帯のネックレスや指輪などの買い取りや販売が急増しているという。
3月に同店を訪れた客は前年同月比で2倍に増加した。顧客層は40歳代が中心で、新規客も昨年3月に比べると3倍近くまで増えている。
同店の担当者は「相場の高騰をみて金製品を売りに来る人が殺到している」と話す。
名古屋市内の別の貴金属店で金製のアクセサリーを売却した40歳代の女性は「ここまで高値で売れるとは思わなかった」と話した。
イベント増
もともと名古屋を中心とする東海地方では、織田信長や豊臣秀吉が権威の象徴として金を重宝した経緯があり、昔から「黄金好き」が多い地域として知られる。
全国で金を売買する田中貴金属工業(東京)の担当者は「先々代や先代から金を受け継いでいる人も多い。名古屋の方は、敏感で金価格が大きく動いた時の反応が早いと言われている」と説明する。
相場の高騰を商機と捉え、金取引の機会を増やす動きも出てきた。
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