お金

パチンコ業界が「金価格上昇」で頭を悩ます裏事情

特殊景品はなぜ金なのか

景品

東京都のパチンコ店で提供されている1グラム景品

 不安定な世界情勢から、安全資産といわれる金の価格が上昇を続けています。金相場なんか縁のない話だと考える方もいらっしゃるかと思いますし、筆者も貴金属店に通うような生活なんかしていませんが、東京でパチンコ・パチスロを嗜む人にとっては無縁ではないどころか、関心を持ってしかるべき話題。それは都内で流通している換金目的の景品、いわゆる「特殊景品」には金の地金が使われ、世界的な金相場と密接に関係しているからです。  そもそも都内のホールで特殊景品に金が使われるようになったのには、「暴力団排除」という大義があり、平成に入った直後にそれまでホールによって異なっていた特殊景品が金商品に統一されました。  その昔、パチンコ屋の特殊景品といえば書けるのかどうかさえわからないボールペンだとか、飲んだら腹を壊しそうなコーヒー豆など、ホールによって何を特殊景品とするかはバラバラだったわけです。  なぜバラバラだったかというと、三店方式という換金行為を違法なものとしないための方策によるものでした。三店方式ではホールと景品交換所の間に卸売り業者が介在しており、卸売り業者によって扱う特殊景品が異なっていたからなんです。

換金するために反社会的勢力の排除

 ただ、この流れのなかで少なからず暴力団関係者が関与することもあったようで、そこをクリアにするため、卸売り業者の元締めとして暴排を旗印にした組織が立ち上がったわけです。同時に「なんでこんなものが一定の価値を持って換金できるのか!」という突っ込みを避けるため、換金性や市場性が高く景品交換所ではない一般の貴金属店でも現金化できる金商品が導入されました。余談ですが、東京のお隣の神奈川では、今でも実際の市場価格と乖離しているような特殊景品が使われていたりします。
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金景品は「持ち帰ると得」だったタイミングも…
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