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[WGC] 西から東へと移り続ける金の旅、旺盛な消費者市場で均衡化

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西から東へと移り続ける金の旅、
投資家から流出するも旺盛な消費者市場で均衡化される

ワールド ゴールド カウンシルが2013年7-9月期の金の需要をまとめた最新の『ゴールド・デマンド・トレンド』によると、従来なら金需要が低迷する第3四半期においても世界の金市場が底堅かったことが浮き彫りになりました。世界中の消費者の需要は引き続き増加し、アジア全体の金需要は強く、2013年年頭に初めて見られたパターンがさらに強まり、金市場の自律均衡的な性質を明白に示す根拠となっています。
2013年第3四半期の総需要は前年同期比21%減の869トンでしたが、大半の国や部門で需要は依然旺盛でした。金を裏付けとする上場投資信託(ETF)とインドが例外となっており、ETFは2013年第2四半期に402トン売り越した後、第3四半期は119トンの売り越しでした。インドでは国内金市場への政府介入の結果、今四半期は需要が71トン減少しました。
年初来全体を見ると、宝飾品、金地金、コイン部門は年初来増加している一方、テクノロジー関連需要は底堅く推移しました。ETF投資需要は際立つ例外として今年は減少しました。
世界の消費者の需要 ?前年の第1?3四半期と比較すると、2013年年初来の宝飾品、金地金、およびコインの需要の強さが分かります。2013年第3四半期末時点での総需要は2,896トンで、前年同期比26%(605トン)増加しました。
世界の宝飾品需要 ? 世界需要の中で飛び抜けて最大のセグメントとなっている宝飾品の2013年第3四半期の需要は487トンで、昨年同期の462トン比で5%増加しました。とりわけ中国で需要が強く、昨年同期比29%増となる164トンの需要がありました。宝飾品部門の堅調な成長は中東、トルコ、そして重要なことに中国を越えて東南アジア全般で見られました。8年間減少が続いた後の米国の宝飾品市場は3四半期連続の増加となっており、金含有比率が高い商品への移行が見られ、米国の金宝飾品の重要なけん引要素として上昇志向と高級志向が再び頭をもたげてきたことが示唆されます。
世界の金地金とコインの需要 ?昨年同期比6%増の304トンと、やはり前年同期比の増加が見られました。これを含めた今年年初来の金地金・コインへの投資が2012年の同期間比36%増の1,252トンとなりました。
ワールド ゴールド カウンシルのインベストメント担当マネージング・ディレクターのマーカス・グラブ(Marcus Grubb)は以下のように述べています。
「2013年の第1?2四半期から一貫して世界の金市場は依然として底堅く、西から東への需要の移動の継続、消費者部門での強い需要、各国中央銀行とテクノロジー関連の底堅さによって下支えされています」。
「特に宝飾品、金地金、コインに見られる成長は今回もまた、金需要の独特な多様性を明らかに示しています。世界経済の循環の異なる地点で異なるセグメントが顕著に盛り上がっており、非常に流動性の高い市場の潮の満ち引きを示す明確な証拠となっています」。

インド政府が導入した正式な経路を通じた金輸入の規制は需要を大幅に抑制するという意図通りの効果があり、第3四半期のインドでの金の総消費は第2四半期の310トンから148トンになりました。しかし、今年上半期の同国の需要が強かったため、今年全体の消費需要は依然として2012年の合計をわずかに上回る軌道上にあります。この副作用の1つとして、世界の金のリサイクルは前年同四半期比11%減少しましたが、インドではリサイクルが5倍以上も増え、61トンに増加しました。
マーカス・グラブは続けて述べました。「インドへの金輸入を制限する同国政府の介入は第3四半期の公式な需要水準に明らかに反映されていますが、インドでの金の購買意欲が衰えていることを意味するわけではありません。インドと密接につながっている国々での需要の増加がみられ、その一部は不法なルートを通ってインドに戻っている可能性があります。不法ルートは長期間休眠していましたが最近の数四半期に再開されるに至っています」。
各国中央銀行は11四半期連続で金を買い越しており、第3四半期の購入量は93トンでした。一方テクノロジー関連の需要は安定的で103トンでした。
第3四半期の金価格平均は前年同期比を20%下回る1オンス1,326米ドルでした。2013年第3四半期の金額ベースの金需要は370億米ドルで、2012年第3四半期比37%減少しました。

このレポートのポイントは以下のとおりです。

  • 中国の消費者の需要は引き続き成長。2013年第3四半期の消費者の需要合計は210トン(前年同期比18%増)でした。
  • 中国以外の東南アジアの宝飾品消費も堅調。ベースが低いこともありますが前年同期比で香港では28%増、ベトナム14%増、タイ57%増、インドネシア19%増でした。
  • ?世界のその他地域での宝飾品需要の成長。同様に第3四半期の中東での需要は昨年同期比9%増、米国は14%増でした。
  • インドでは政府の規制で需要が抑制されています。インドの消費者の需要は昨年同期比32%減を記録しました。しかし年初来で見ると、2013年前半の2回にわたる価格下落に誘発された需要の急増を受けて、2012年第1?3四半期比19%増と依然需要は旺盛です。
  • 各国中央銀行は引き続き多くの金を買い入れていますがペースは緩やかになりました。金の買い越しは2013年第3四半期で11四半期連続となりました。

2013年第3四半期の金需要データ

  • 第3四半期の金需要は2012年第3四半期を21%下回る869トンでした。これは主にインド政府が国内市場に介入したこと、およびETFによる投資が昨年同期比減少したことが主な原因です。
  • 今四半期の金価格平均は、2012年第3四半期比20%下落し、1オンス1,326米ドルでした。
  • 世界の宝飾品の需要は昨年を5%上回る487トンでした。米国の宝飾品の需要が14%増加し、2009年第3四半期以来第3四半期として宝飾品需要が最大となりました。
  • 金地金およびコインへの投資は、前年同期比6%増の304トンと堅調な需要が見られました。
  • ETFでは投資家がポートフォリオの調整を行ったため119トンの純流出となりました。
  • 各国中央銀行の純購入額は、2012年第3四半期を17%下回る93トンでした。各国中央銀行は11四半期連続で買い越しています。
  • テクノロジー関連の需要は103トン(前年同期比1%増)と今四半期も安定的に推移しました。
  • 合計供給量は1,146トンでした。

『Q3 2013 Gold Demand Trends report』は、www.gold.org/media、ならびにwww.itunes.comからダウンロードできるiPadアプリでご覧いただけます。
ワールド ゴールド カウンシルに関する情報はTwitterの@goldcouncilとFacebookにてもご覧いただけます。

ワールド ゴールド カウンシルについて
ワールド ゴールド カウンシルは、金市場の育成を目的とする組織です。投資、宝飾、テクノロジー、政府関連分野において、金に対する持続的な需要を喚起するためのリーダーシップ活動を行っています。
ワールド ゴールド カウンシルは、金市場に関する真の洞察力を生かし、金をベースにしたソリューションやサービス、市場の育成を行っています。こうした活動を通じ、金需要の構造的変化を喚起しています。
ワールド ゴールド カウンシルは国際金市場に対する洞察を提供することにより、富の保全や社会・環境面で金が果たせる役割についての理解を深める活動を行っています。
ワールド ゴールド カウンシルは世界の主要金鉱山会社をメンバーに持ち、英国本部のほかインド、アジア、欧州、米国などにオフィスを有しています。

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