【1月7日 AFP】スイス国立銀行(Swiss National BankSNB)は6日、金価格の下落により2013年は巨額の損失が出たため、100年以上続く同行の歴史で初めて連邦政府と各州への配当を見送ると発表した。

 同行は設立された1907年から各州に、連邦政府に対しては1991年から毎年欠かさず配当金を納付してきた。しかし2013年決算で90億スイスフラン(約1兆380億円)の損失を報告する見通しとなったことから、州・政府いずれに対しても配当金を支払わないとした。

 昨年は金が28%値下がりし、同行保有の金の評価損は150億フラン(約1兆7301億円)に上った。外貨で30億フラン(約3460億円)、さらに同国最大の市中銀行UBS救済のため2008年に設立した安定化基金の売却で30億フランの利益を計上し、損失の一部を相殺したが、通貨準備のため30億フランの引当金が必要なため、最終的には120億フラン(約1兆3841億円)の赤字となる見込みだという。同行は、「損失が配当準備金の53億フラン(約6113億円)を大きく上回ったため、配当金を納付することができない」と説明した。(c)AFP/Nathalie OLOF-ORS