スイスフラン、金準備強化法否決されても上限防衛は困難

[ロンドン 20日 ロイター] - 外為市場では、スイス中銀の金準備の増加を求める法案が国民投票で否決された場合、スイスフランは一時的にユーロに対して下落する可能性があるものの、欧州中央銀行(ECB)が量的緩和に動けばフランに上昇圧力がかかり、いずれフランは中銀が設定する上限を突破するとの見方が優勢となっている。
スイス中銀に準備資産の最低20%を金で保有することを義務化する提案の是非を問う国民投票は11月30日に実施される。承認されれば、中銀の政策運営における柔軟性は低下し、フランの上限防衛は難しくなるとみられる。
また、否決されたとしても、スイスフランはユーロに対して一時的に下落するものの、ECBが量的緩和を決定すればユーロが軟調になり、フランに再び上昇圧力がかかる、との指摘がある。
スイスフランはユーロに対して1.2009フランと2年2カ月ぶり高値を付け、スイス中銀が定めた上限の1.20フランに迫っている。
スイスクオート銀行の首席為替アナリスト、ピーター・ローゼンストレイック氏は、世論調査の予想通りに金準備強化法案が否決されれば、ユーロ/スイスフランは1.2050/75フランに上昇するが、その後ECBが量的緩和に動けば、再び下げに転じるとの見方を示した。

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