印ラジェシュ、金精錬最大手を買収
■ラジェシュ・エクスポーツ(インドの宝飾品企業) 世界最大の金精錬会社、スイスのバルカンビを4億ドル(約492億円)で買収した。買収でラジェシュは「貴金属の精錬や金の装飾品製造を含む総合企業」になるという。
同社が27日に証券取引所に提出した書類によると、シンガポールにある全額出資の子会社を通じてバルカンビを「完全に買収」したという。同社のラジェシュ・メータ会長は、バルカンビの経営陣は続投すると語った。
バルカンビの最高経営責任者(CEO)マイケル・メサリック氏は、この買収でインド、中東、中国などの市場に同社が参入する機会が増すと述べた。また、ラジェシュの技術的知見を利用して欧州で新たな金製品を発売したいという。
ラジェシュはニューヨーク証券取引所に上場するニューモント・マイニングとスイスの投資家らからバルカンビを購入した。バルカンビは過去3年にわたり、年平均950トンの金を加工している。メータ会長は、バルカンビの買収は世界最大の金市場を持つインド国家にとっても重要な意味を持つと述べた。バルカンビはインドの金需要を満たす供給能力を持つ。
インドでは、8~10月の祭礼の季節と11~5月の結婚式の季節の需要を中心に、年間850~900トンの金が消費される。
金は幸運をもたらすと信じられており、新婦への大切な贈り物であり、結婚式では可能な限りの金が身につけられる。装飾品としても高く評価され、蓄えられる。世界最大の市場であるインドと中国で売られた金の量は、同年までの10年間で合わせて71%増加した。同年に販売された金の54%が両市場で売買された。(ニューデリー=キラン・シャルマ)