ゴールドコラム & 特集

私とコインとの出会い

私とコインの出会いは、皆様も多くの方がご経験がお有りだと思いますが、男はとにかく何かを集めるコレクターが女性の方よりも圧倒的に多いと思われます。という訳で、私も小さい頃は切手・ベーコマ等、色々の物を机の引き出しに雑多に色々収集しておりました。子供の頃、父から時々お子使いを貰う中に、中国の古い貨幣とか日本の一文銭、天宝通宝などを貰い『お宝』としてしまっておりました。



 学生時代は興味を持つ物が色々と出てきて、コインとの接点は何もなく、私が宝飾業界に飛び込んで(昭和49年、1974年)から地金(金・銀・プラチナ)を意識!その当時の宝石業界はやっと一般の方が少し生活に余裕が出てきた時代、三種の神器(冷蔵庫・テレビ・洗濯機)が普及し、車時代が来ていた状況でした。
                      
 団塊の世代の結婚ラッシュの影響で、世界的シンジゲート、デ・ビアス社がダイヤモンドの普及に力を入れ、『給料の3倍が婚約指輪の標準価格!』をキャッチフレーズに販売。10?15万円(ダイヤモンド0.2?3キャラット)の婚約指輪が主流。この商品を当時の挙式者の約1/3の方々が購入していましたが、2/3の方は廉価な誕生石指輪もしくは、結婚指輪(甲丸指輪)のみの方が大半の時代でした。

私もダイヤモンドを販売しておりましたが、どうしてこんな小さな石が何故こんなに高いのか理解出来ず納得出来ない心境で販売しておりました。その当時はすべての物がインフレの時代!将来ダイヤモンドは値上がりします!今がお買い得!のキャッチフレーズで販売している状態でした。
                   
 当時の価格は、金が1g 2020円、ダイヤ1キャラットが 250万円で、現在とほとんど同じ価格、30年の間に2倍、3倍の価格にまで上昇した時期も有りましたが、宝飾品の価格はこんな動きでした。サラリーマンの給与はその間、間違いなく5倍近くにはなっているのではないでしょうか?宝飾品の材料はすべて輸入品のため、その時々の為替レートに連動して動きます。そんな観点からも日本は本当に豊かな国になった事を実感いたします。



さてコインとの出会いですが、そんな訳で当時考えたのが金地金は相場変動はあるが、火事になっても地金は残る、ダイヤモンドは炭素の結晶なので燃えてしまう!地金は世界の財産、地金はウソを付かない地金は裏切らない!と考えていました。そんな時期に南アメリカからクルーガーランド金貨が発行され日本にも大量に輸入され販売が開始、金地金販売促進団体の『ワールドゴールドカウンセル』が設立され、金の普及に一層の拍車が掛かっていきました。
                   
 当時は、コインジュエリーなどと言うものはほとんど日本にはなく、一部アンティークの世界で輸入されていた位でした。そこでK18金の素材を使い枠を造り囲い、ペンダントとして製造し販売!爆発的に売れて行きました。図柄も、表は初代南アの大統領の図柄で、裏はスプリングボッグという鹿の一種であった。南アフリカ算出の金貨を世界中で販売する為に、加工プレミアムを出来るだけ押さえ価格変動制で販売が大ヒット!



その後、金産出国が続々と販売開始、アメリカ(イーグル金貨)・カナダ(メイプル金貨)オーストラリア(ナゲット金貨)・イギリス(ブリタニア金貨)などなど・・・・通称地金型金貨として販売されコインの定めであるデノミ(貨幣単位)は刻印されず、1オンス(オンスOz=31.103g)?1/25オンスまで重さが表記されていました。
                          
 そのブームの最中に、コインの魅力に取り付かれ、次第に近世(1800?1900年代)のコインの存在を知り国内のコイン商を訪ね、色々とご教授戴きコインの魅力に取り付かれた次第です。その後、1995年に初めてアメリカ西海岸のロング・ビーチのコインショーとオークションに参加しコインの原点、ギリシャコインとの出会いがあり、益々コインが好きになり、商売を離れたところでコインに惚れてその後、ロンドン・ニューヨーク・香港と、コインオークションに度々参加し現在に至っております。

【フジタクさんのお店】
ワールドコインギャラリー
:1989年創業アンティークコインとコインジュエリーの専門店

World Cin Gallery

プロフィール

藤野 拓司

Fujino Takuji

ティアラ・インターナショナル株式会社 ディレクター

福岡県出身。早稲田大学卒業。古代ギリシャ・ローマコイン コレクター。コインジュエリー メーカー&卸売業、30年の実績。国内・海外コイン商との直接取引、25年?、国内・海外コインオークション、参加25年?(主としてロンドン・ニューヨーク)

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