金の密輸急増! 件数、脱税額ともに過去最高 大半は香港から旅客機で

肌を装ったシリコンを装着した男性。シリコンの内側に金が隠されていた(財務省提供)
肌を装ったシリコンを装着した男性。シリコンの内側に金が隠されていた(財務省提供)

 海外で購入した金の密輸入の件数が、6月までの1年間で、前年の20倍以上に上り、過去最高を記録したことが9日、財務省への取材で分かった。密輸による脱税額は約2億4千万円で、前年の8倍となった。衣服の内側に隠すなどして密輸しようとするケースが多く、税関関係者らが警戒を強めている。

 財務省によると、金密輸の発覚件数は過去10年間では平成21事務年度(21年7月~22年6月)の25件が最高で、ほとんど1桁台で推移していた。ところが26事務年度は爆発的に増え177件を記録。脱税額も2億3679万円で、件数、額ともに過去最高となった。

 持ち込み方法はすべて航空機旅客によるもので、香港発が大半を占めた。日本人による密輸がほとんどだが、中国人など外国人の犯行もあった。

 税関の検査を突破する手口は巧妙で、大量のポケットがあるベストに忍ばせたり、ノートパソコンのバッテリー差し込み口に入れて持ち込んだりするケースが確認されている。シリコン製のパッドで妊婦の腹部を装ってその中に金塊を入れたり、肛門など体内に延べ板を詰めたりする例もあるという。

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