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金、歯科治療向け需要が輝き失う-歯のホワイトニング人気で

  • 歯の美白トレンド高まり歯科治療向け金需要が後退
  • 世界の歯科治療向け金需要、過去5年でほぼ60%落ち込む

真っ白な歯が見える笑顔の人気で、米プロクター・アンド・ギャンブル(P&G)にとって10億ドル(約1100億円)規模のビジネスが生まれた。それは金市場にとっては悪いニュースだ。

  10年前までは年間約67トン、現在の価格で換算して27億ドル相当の金が世界中の歯科治療で利用されていた。しかし、産金業界団体ワールド・ゴールド・ カウンシル(WGC)によれば、過去5年間に需要はほぼ60%落ち込んでいる。歯科医らは歯のホワイトニングが普及したためだと指摘する。

  歯科治療向けの新素材セメントやセラミックスの利用に加え、金価格高騰などにより、歯科治療向け金需要は後退している。金の歯科治療向け需要は、シンガポールからシドニーに至る各地で利用を望まない患者が増えたため落ち込んでいる。安全資産としての投資需要が高まっている金は今年、値上がりしている。

  37年にわたって歯科治療に携わっているオーストラリア歯科協会のヒューゴ・サックス副会長(60)は「今は真っ白な歯が人気だ。金が再び流行するとはほとんど思わない」と語る。

  WGCの推計によれば、歯科治療向け金需要は昨年、1トン(5%)減少し18.9トンとなった。

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  1971年に歯学部を卒業したシンガポール国立大学のチュー・チョンリン教授は「かなり以前は前歯に金歯が1本あるのはステータスシンボルのようなものだった。時がたつにつれ美容が重視されるようになり、実際の歯に近い歯冠が好まれ始めた」と説明した。

原題:Gold Loses Its Shine in Dentistry Amid Teeth-Whitening Craze(抜粋)

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