中国の金純輸入、5月は68%増の115.29トン

[27日 ロイター] - 香港政府統計局が27日に公表した統計によると、香港から中国本土への5月の金の純輸入量は115.29トンとなり、4月の68.76トンから約68%増えた。昨年12月以来の多さだった。
香港は、世界最大の金消費国である中国の主な金輸入ルートだ。
5月の総輸入量は約65%増の121.71トンだった。
5月に金価格は6%下落した。月間ベースの価格下落としては昨年11月以来の大きさ。米国が近く追加利上げするとの観測が金価格の重しとなっていた。もっとも、米連邦準備理事会(FRB)は軟調な雇用統計や英国民投票を理由に慎重な姿勢をとった。
金は金利上昇に大きく左右される。金など利子がつかない資産は機会費用が上がるためだ。また、利上げでドルが値上がりすると、ドル建て資産である金には割高感が出る。
金は今年、約25%値上がりしており、最も好調な1次産品の一つだ。
中国は金貿易にかかわるデータを発表していないため、香港政府統計局の数字が、中国本土への金の流れを把握するための代替指標となる。ただ中国は上海や北京を通しても金を輸入しているため、中国の金輸入の全体像は捉えていない可能性もある。

私たちの行動規範:トムソン・ロイター「信頼の原則」, opens new tab