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ソロス氏やUBSなど金の強気派、産金株への期待薄れる

  • 産金株は金価格と比較して大幅に上昇、割安感後退
  • 資産運用者ら、金には依然強気で現物に移行

注目が集まっている産金株が一部投資家にとって割高となっている。ただ、これらの投資家は金価格見通しについては強気を維持している。

  今年に入って先に、ジョージ・ソロス氏ら資産運用者は予想外の金価格上昇で利益が膨らむと予想し、バリック・ゴールドニューモント・マイニングなどの産金株を購入していた。鉱山の閉鎖や損失計上で5年間にわたって低迷していた産金会社の株価は当時、割安となっていた。ただ、今では多くの産金株が昨年時点の2倍に値上がりし、金のほぼ5倍の上昇率を示している。このため、ファンドは産金株を売却し始める一方で、金現物の保有を維持または拡大している。

大幅上昇

  米モルガン・スタンレーは、産金株はこれまでの上昇によって、金価格が現行より24%高いかのような水準まで押し上げられていると推計。UBSグループは、低金利と世界の経済成長低迷で資産としての金の魅力が増し、リターンが上昇すると予想する。投資家による移行の兆しは既にある。貴金属に連動する上場投資信託(ETF)への純流入額が過去1カ月間に22億ドル(約2200億円)となる一方、産金会社14社で構成するブルームバーグ・インテリジェンス・グローバル・シニア金鉱株指数は5.4%低下した。

  UBSの世界鉱業ストラテジスト、ジョー・バターシル氏はロンドンから電話インタビューに応じ「バリュエーションの面では現時点で産金株に強く期待することは難しい」と指摘した。
  
原題:Gold Believers From Soros to UBS Lose Faith in Mining-Share Gain(抜粋)

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